坂東玉三郎 初春特別舞踊公演
1月8日(月・祭)
会場:大阪松竹座
開演 14:00~終演 17:00
観覧場所 6列中央通路側
①お年賀 口上 2:00-2:10 坂東玉三郎、中村壱太郎
幕間 15分
②元禄花見踊 2:25-2:45 坂東玉三郎、中村壱太郎
幕間 15分
③秋の色種 3:00-3:25 坂東玉三郎、中村壱太郎
幕間 30分
④鷺娘 3:55-4:25 中村壱太郎
幕間 15分
⑤傾城 4:40-5:00 坂東玉三郎、
感想
①裃で、玉三郎さんは、とつとつと、壱太郎さんは流麗に。
舞台は、多くの方たち、共演者、大道具小道具、照明、床山さんはじめ、
着物の染色される方、かつらの長い髪もなかなか今では集められない
・・・そんな様々の方の思いが結晶となり、その思いを舞台でお客様に
お届けしています、と玉三郎さんがお話しされました。
周りの方への、通り一遍の感謝の気持ちと言うよりも、ご自分は、
ただ単に、その一員に過ぎない・・・そんな風にも感じました。
奢るでもなく、謙遜するでもなく、ただ淡々とした姿が美しいなと思いました。
②玉三郎さん、壱太郎さんはじめ、10名の華やかな春の華やいだ舞。
玉三郎さんは、頭部の位置が一定で、おもに手足の動きで能のように気高い。
壱太郎さんは、吾妻流家元でもあり、体中を使うダイナミックな感じですが、
少し、踊り過ぎかな?とも思いました。
女形の身体の「くの字」がちょっと、角度がきつすぎるようにも思いました。
一番印象的だったのは、花道で、玉三郎さんが上手側のちょうど私の方を向かれ、
少し微笑まれました。
その、微笑みはこの上もないほどの天女のようで、ドキッと固まり魅了されました。
③秋の情景をあでやかに。
少し、長唄や三味線、鳴り物の方たちもじっくり拝見しました。
三味線も、鼓も若手が数名混ざっていて、伝統の継承を感じました。
そうこうするうちに、何度かウトウトしてしまいました。
目を開けたら、玉三郎さんが微笑みながら踊られているので、まるで天国のようで
至福のひと時でした。
④鷺娘は、玉三郎さんと思っていたので、最初がっかりしました。
でも、壱太郎さん、素晴らしかったです。
最初の登場は、雪のしんしんと降りしきる中、中央小高いところで白無垢で登場。
全てが白の世界の中で、寂寥感が、恋に悩む姿に重なります。
衣裳の引き抜きが数度あり、白、赤、柄、ピンク、赤、白と見事な変換でした。
ラスト、鷺の精は人間との道ならぬ恋に地獄の責め苦を負い、最後は力尽きます。
踊り、長唄、囃子が三位一体となり、激しく踊り狂う様に涙を誘われ感動しました。
ラスト、双眼鏡で見ると、目に強い光がうるんでいて鷺の精が乗り移っているかのようでした。
⑤吉原の遊郭での花魁「傾城」
スポットがあたると、そこには華やか豪華な花魁道中が。
美しすぎて、この世のものとは思えません。
長唄、お囃子も15名から20名にスケールアップで、後方横一列が二段で華やか。
①②の時にも感じましたが、玉三郎さん、右手に扇子とか持たれているとき、左手はだらん
として、力を入れず、重力に任せているかのようで、少し揺れているようにも見えました。
見ている方も、肩に力が入らず、心地よく感じるのは、そのバランス感覚のせいかなと思いました。
(雑感)
玉三郎さんの舞踏は何度か拝見し、その高貴な舞は素晴らしいです。
でも、微笑みがいつも印象に一番強く残るのは何でなんでしょうか。
ふと、思うのは、昨年の惠ちゃんの新歌舞伎座のお芝居で、印象に一番強く残っているのも、
初日、襖を開けて現れた若殿の晴やかなお顔でした。
その道で、唯一無二の特別な存在の方というのは、一瞬で魔法をかけられるようです。
大阪道頓堀 松竹座・・建物、大正時代の外観を残したまま20年ほど前に新築再建。
2階ロビーでは、獅子舞の踊りが続いていました。
開演5分ほど前に客席に入ると、獅子舞が花道を練り歩いていました。
係の方に聴くと、写真OKとの事で、ドンドン撮ってくださいと(笑)。
購入したもの、パンフレット、写真、ファイル、手ぬぐい、お菓子。
玉三郎さんのカレンダーを見ましたが、6枚全部舞台のものでなかったので・・・。