夕方、病院に着いた。


「今から実家に帰る。どうなるか分からないからとりあえず1週間いるね。」



「帰ってこなくていいよ。」と言った母


「パパもママも心配だから。」と…


病院で、父の入院セットを取りに帰った母と待ち合わせ


「運ばれた時よりだいぶ落ち着いたよ。」と。


旦那に息子を任せて
母と面会に行く。



そこには、いつもとは違う父がいた。




肩で呼吸をし、目をぎょろっとさせて。



私たちが近づいて見えていたのだろうか、
反応がなく分からない



母が私と来たよ、と声をかける。


口も開かず声にならない、んんんっという唸り声、
そしてわずかに頷いた?程度




母は「来たことわかってるね」と言ったが
あれ、これ分かってないな…と私は思ってしまった




面会後、母から詳しいことを聞いた。


朝父から話しかけられたが呂律が回ってなくて笑っちゃったこと、
父がトイレに行こうとしたらうまく扉を開けられなくて崩れ落ちたこと、
ただ事ではないと思い、弟と救急車を呼んだ方、



病院でCTを撮ったら脳内出血だったこと、


血圧がものすごく高くて、そのせいかもしれないということ、


明日手術の説明があって、そのうち手術をするということ、






お酒が大好きで運動もせず、毎日仕事が終わると好きなものを食べて、泥酔するまで飲んでた父。



酒癖の悪さは有名だった…
私たち家族もその酒癖に困ったり辛い思いをしたりする時もあった…
祖父も私が幼い頃脳出血で亡くなった、




いつかこうなるだろう、
でもまだ元気だし大丈夫、みんながそう思ってた





「パパ飲み過ぎちゃったね…」




変わり果てた父を見て、その言葉しか出てこなかった