水と風と火と
台風18号の猛烈な勢力が心配されている。水と風、さらに、気象庁の火山噴火予知連絡会は、火の動きの発表。定例の会見だが、火山の動きも活発な雰囲気。想定東海地震に関連しそうな火山を抜粋。 今期間(6月18日~10月4日)桜島、諏訪之瀬島で噴火が発生しました。◆富士山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)] ・ 山体周辺のGPSによる地殻変動観測で、昨年8月頃からわずかな伸びの変化が認められます。 この変動は、地下深部の膨張を示していると考えられます。・ その他の観測データで浅部の異常を示すものはなく、噴火の兆候は認められません。 ◆箱根山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)]・ 2008年9月頃から2009年8月にかけて小規模な地震活動が繰り返し発生しました。・ 箱根山を挟む東西方向のGPSの基線では、2008年6月から2009年春ごろまで伸びの傾向が見られました。・ その他には特段の変化はなく、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。 ◆伊豆大島 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)]・ GPS、光波距離計による地殻変動観測では、地下深部へのマグマ注入によると考えられる 長期的な島全体の膨張傾向が継続しています。 短期的には2008年夏からの伸び変化が1月頃からほぼ停滞しています。・ 火山活動は静穏に経過しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。◆三宅島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]・ 二酸化硫黄放出量は一日あたり1千~3千トンと、依然として多量の火山ガス放出が続いています。・ 地震活動や地殻変動にはこれまでの傾向と比べ特に大きな変化はみられません。・ 引き続き三宅島では、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。 火口周辺では噴火に対する警戒が必要です。・ 多量の火山ガス放出が続いており、風下にあたる地区では引き続き火山ガスに警戒が必要です。 降雨時には土石流にも注意が必要です。 ◎火山噴火予知連絡会会長会見(定例) http://www.jma.go.jp/jma/press/0910/05a/yochiren091005.html◎気象庁 火山噴火予知連絡会http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/STOCK/kaisetsu/CCPVE/CCPVE.html気になるのは、富士山だ。◎富士山:地殻変動…96年来初、最大2センチ 噴火予知連http://mainichi.jp/select/science/news/20091006k0000m040076000c.html 96年4月の観測開始以来、初めて地殻変動を確認したと発表した。変化は最大2センチで、山頂のほぼ真下の深さ約14.6キロに約1000万立方メートルの球状のマグマだまりがあると推測されるという。「富士吉田-富士宮2」の距離(約35キロ)が、昨年夏から現在にかけて、約2センチ伸びた。また、「御殿場-富士」(約20キロ)でも約1センチ伸びた。藤井会長は「富士山の真下で、マグマが蓄積し、圧力が高まっていることの表れ。富士山が活火山ということがあらためて認識できた。(マグマだまりは)通常の活火山でよくみられる現象で、今回は地下深くにあり、すぐに噴火するということには結びつかない。きちんと観測を続けていきたい」と話した。なにぶん、96年からの観測では、まだ動向の言える段階ではないのだろう。過去にもそういうことがたびたび起きているのか、それは何につながってゆくのか、いかないのか、今後起こることを観察し続けるしかない。一方、3キロ噴煙が上がったのは、桜島。こちらは、たびたびの噴火が、多く記録されている、日本でも有数の活動がある火山。 桜島〔火口周辺警報(噴火警戒レベル3)〕昭和火口では、6月下旬から爆発的噴火の発生回数が増加するなど、噴火活動がやや活発化しました。これらの噴火による噴煙の最高高度は火口縁上2,500mで、弾道を描いて飛散する大きな噴石が最大4合目まで達しました。また、8月10日の噴火では、火砕流が昭和火口の東側約500mまで流下しました。南岳山頂火口では、10月3日に空振(桜島黒神)295Paの爆発的噴火があり、噴煙が火口縁上3,000mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目まで達しました。桜島の噴火による降灰量は7月以降増加していますが、傾斜計による地殻変動観測では山体地盤の下降を示す変化は認められておらず、桜島直下へのマグマの供給が徐々に増加していると考えられます。専門的な表現での発表だ。最後の行を読めば、つまりは、まだ今後も更なる噴火の恐れがある、ということでいいのだろうか。調査は、年末に行われる予定。発破を全部で15箇所ほどに仕掛け、人工地震を観測して予測に役立てる方法。すでに、富士山を含むいくつかの山で実施されてきてる。平成21年度から開始された「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」に基づき、京都大学防災研究所など全国の9大学と気象庁が協力して、桜島の火山体構造探査を実施します。 この構造探査は、1993年以降桜島北部の姶良カルデラにおけるマグマの蓄積が進行し、2006年からは桜島南岳の東山腹の昭和火口において噴火が断続的に繰り返され、近い将来、噴火活動の活発化が予想される桜島における火山噴火のより正確な予測のために実施するものです。構造探査は、発破により人工地震を発生させ、その地震波形を多数の地震計で観測し、それを解析することにより姶良カルデラからマグマが移動してくると推定される桜島北東部の地下構造を推定します。これにより、桜島のマグマの供給系の具体的イメージ化、マグマの動きの推定精度の向上などが期待されます。◎2009年桜島構造探査の実施について 2009年10月6日http://www.jma.go.jp/jma/press/0910/05b/sakurajima091005.html火山といえば、静岡大学の小山真人教授だ。昨年は「富士山大噴火が迫っている!最新科学が明かす噴火シナリオと災害規模」、今年は「火山爆発に迫る-噴火メカニズムの解明と火山災害の軽減」が刊行されている。◎小山真人研究室http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Welcome.html活火山の富士山、歴史をたどれば、山体は今とはまったく異なっている二ツ峰で、噴煙たなびく山であったという。*双子峰だった富士山http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/opinion/jihyo27.html一番教えてほしいのは、富士山などの火山列が、地震に及ぼす影響。8月11日の地震にしろ、いったい想定東海地震に影響があったのか、ないのか、今後の発生を早めたのか、鈍らせたのか、釈然としていない。そこへ、火山が変化しているという報告は、好奇心を駆り立てる。小山教授は、過去の富士山の噴火と東海、東南海地震の関係を研究していた。史料不十分で判断不能の1605年地震と1944年地震を除いた残りの11地震のすべてについて,時間的に近接して(±25年以内に)富士山の火山活動になんらかの変化が生じていることがわかった.さらに,南海トラフ東部で起きる地震だけではなく,相模トラフで生じる地震も富士山の火山活動を変化させたようにみえることと,地震の後だけでなく地震の前に火山活動が変化する場合もあることが明確になった.このことは,火山活動をトリガーするメカニズムとして,震源断層運動や強い地震動による歪変化だけを考えるのではなく,地震に先立つ静的な歪変化を考慮に入れる必要性を意味する。◎富士山歴史噴火総解説http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Fuji/fujid/0index.htmlそうですか。。。。それでは、しっかりとお山の様子をも、毎日拝むことにいたしましょう。◎富士山ハザードマップ 富士五湖。TVhttp://www.fujigoko.tv/mtfuji/vol2/index.html◎富士山の火山防災対策 富士山火山防災協議会http://www.bousai.go.jp/fujisan/