本日、通っていた高校に行き当時仲良くしていた先生に会いに行きました。


担任でも私の学年の先生でもないのですが、

現役時代、受験で精神が不安定なときに優しく声を掛けて下さり、話をして下さる先生でした。


家族にも友達にも言えないことも、その先生には言えました。


浪人が決まったとき、「また1年後ここに報告しにきな。来年も絶対ここにいるから」と言って下さりました。


あの日から1年経ちました。


約束通り、会いに行きました。


会いに行くかすごく悩みました。私は宅浪の期間で完全にメンタルが壊れてしまい、合格はできましたが胸を張って言えるところではありませんでした。


他の同級生は、旧帝大やその他難関大学に浪人して合格しているのに、私はその部類に入れませんでした。


世間的には「一浪してそこ?」と思われるようなところです。

引け目を感じています。


会って先生にがっかりされるのが怖かった。

高校では、テストの点も結構取れていて、優秀な方で、先生にも優秀な生徒だと思われていたと思います。


がっかりされるのが怖くて、約束破って会いに行かないでおこうかと思いましたが、最後に会っておかないと後悔しそうな気がしました。


学校へ行くと高校受験用の合格発表の掲示板があり、中学生たちが見に来ていました。「私もこのときに戻れたらどんなにいいか」と思いました。


私は、嘘をついてしまいました。


先生に会って、「宅浪をしていたが、冬に限界を迎え、受験をやめてしまった。高卒で働いている。今はフリーター」と言ってしまいました。


中途半端な大学名を言うのが嫌でした。「一浪してそこなんだ」と思われるのが嫌でした。


難関国公立に合格し、堂々と報告しに来るのが理想でしたが、私の力不足でした。


先生は「そうなんだ」とだけ言っていました。

同情や労いの言葉もなく、「まあ元気そうで良かった」とだけ言ってくれました。


私にはそれがありがたかったです。


下手に励ましの言葉をかけてもらうと、余計惨めに感じます。


途中で罪悪感が込み上げてきて、「嘘です、本当は春から大学生なんだよ」と言ってしまいそうになりましたが、

嘘をついた理由を思い出して飲み込みました。


この先生に出会えて良かったです。先生も出会えて良かったと言って下さりました。


もう二度と会わない覚悟で会いに行きました。だから嘘もつけました。


会いに来て良かったです。罪悪感がすごいですが、嘘をつかなきゃならない身に自分がいることを再確認することにもなりました。


最後に元気でねと言って、お別れしました。


先生という職業は、生徒が自分のもとから旅立って行くのを見送る職業だと思っています。

これから何百人何千人という生徒を見ていくので、そのうちの1人の私のことなんて

あと何年かすれば忘れていくと思いますが、


私にとっては大切な先生で、これからもこの日を思い出していくと思います。