これで、夫さんがどんな風に私を裏切ってきたかを聞き終えたことになる。
嘘を付いている、都合のいい話だけしていると感じたら、そこでお終いにするつもりだったけど、夫さんは概ね正直に話しているように見えた。
…内容は本当に最低だったけど。
私「どうして私なの…?同じような…浮気が平気な人同士で付き合ったり、結婚したりすればいいのに…。夫さんは、私が他の人とそういう事をしても平気なの…?」
夫「…本当に勝手だけど、あなたが他の男に告白されたって聞いただけで、すごく嫉妬してた…。あなたは悪くないって分かってるのに、酷いことを言った…」
私「ああ…」
そんなこともあった。覚えてたんだ…
私「…私だけじゃなくて、色んな人のこと、馬鹿にして、いい加減に扱ってたんだね。それってそんなに楽しいことなの?」
夫「ごめん…どうかしてた。自分も含めて、みんなくだらなく思えて…。腕試しというか…。女性が自分の思い通りになるのは、自分に価値があるからだって、ゲームみたいな感覚で…。でも、全部勘違いだった…。何の意味もない。こんなこと…。人を馬鹿にして、一番大切な人を傷つけて、軽蔑されて…。本当に…馬鹿だ…。」
私「どうかしてたって。今も同じだよ。反省してるように思うのも、バレたからだよ。もし私が動画を見つけなかったら、今もあのフォルダはパソコンの中にあったし、機会があればこっそり見てたよね。それで、自分は特別って優越感を感じてたんだよね。」
夫「…」
私「私のことも、どうでもいいでしょう?だったら夫婦でいるの、もうやめようよ。自由になって、好きなようにしたらいいよ。」
夫「どうでもよくない…別れたくない….」
私「どうして?結婚前のことだから慰謝料を請求したりしないし…。息子とも好きに会えるようにするよ。お義母さん達に浮気のこと知られたくないなら、性格の不一致ってことにしてあげるよ…」
浮気や不倫が他人事だった頃、自分はこういうときに、きちんと戦える人間だと思ってた。
怒って、相手を追い詰めて、法的にも社会的にも制裁を加えて。
自分を蔑ろにした人を懲らしめて、スカッとした気持ちでその後の人生を歩んでいけるって。
でも、実際はただただ悲しい。虚しいだけ。
怒りも湧かない。
夫さんが目の前で打ちひしがれているけど、スカッとなんて、全然しない。
惨めな姿に、胸が痛む。