新撰組と判る | ロガリズム

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読んだ本の感想と、戯言です。戯れてあげてください。


「やはり言葉を解していやがったな。何故だんまりをきめていた?」

リーダー格の男が凄みをきかせる。

「言ってるじゃないですか、刀が恐かったんですよ。」

「出任せだ。そんなたまには見えん。」

「土方さんが凄く恐い顔だからです!」

キッと睨んで言う幼い男。ありがたいが何故あんたが俺をかばうんだ?

「安心してください。私たちは簡単に刀を振りかざしたりしません。御上に仇なす不貞浪士を取締るのが私たちの勤めです。異人さんを虐めたりしませんよ。」

「おい、総司、得体の知れん奴に内情をべらべら喋るんじゃない。」

「私たちが御上の命で動いてるのは皆が知ってることでしょう、秘密裏ではないです。」

"土方"と"総司"

"御上の命で"

そうか、こいつらは新撰組か。ここは幕末の京都なんだな?

なら異人弾圧は無かったはずだ、が、しかし公使館に連れて行かれても困るぞ。

本物の外国人に会わされたらバレる。そんな英語力は持ち合わせてない。

「兄と一緒に日本に来ました。船が嵐で沈んでしまいました。浜辺から兄と2人で歩いてきて……そうしたら刀を持ったあなたたちが来て……兄は逃げました。」

悪いな、翔太。だが"先に逃がした"なんて本音を言うわけにもいかない。

沢を滑落したせいで服には泥が着いて濡れているし腕にも擦り傷やミミズ腫れがある。足は捻挫している、ここまで引きずって歩いてきたのを、こいつらも見ているはずだ。

「手当てします。公使館に行くといいですよ。すごく遠いから長旅になりますけど……私たちは勤めがあるので、お兄さんを探してから一緒に向かえばいいと思います。」

「おい、何を勝手に話を進めてやがる。」

「私たちが脅かしたせいでお兄さんとはぐれてしまったんですよ?」

「逃げる奴は男じゃない、そいつの兄が悪い。」

「土方さんの顔が恐いのが悪いんです!」

そうか、公使館は京都にはないのか。兄を探してから旅に出る。言い訳として申し分ない。沖田総司のおかげで助かった。
この時代の人間が予想した筋書きのほうが周囲にもしっくり来るだろう。

「ずいぶん騒がしいね。どうしたんだい?」

「慶喜様……けっ慶喜殿。」

急に現れた金髪の美男子……金髪?

まぁカツラかな?
幕末は歌舞伎役者が流行りで赤い髪や青い髪なんかのカツラを被る"カブキもの"も居たらしいし。漫画情報だから定かじゃないが。

事態はどう転ぶだろうか。