9月締め切りの臨書展に出す作品作りに取り掛かっています。

源氏物語絵巻、鈴虫の段です。

今、テレビで源氏物語のドラマをしていて

（うちはテレビがないので見ていませんが）

流行りに乗っているみたいでちょっといやなのですが。

でも私は2年前から源氏物語絵巻の臨書をしています。

紫色の半切が残っていたので、何枚か書いたうちの3枚を持参しました。

先生の評は

「よく書けているけれど、墨量はこれ以上多くしないように。

少し書くのが早いかな？　筆が流れないように、紙に食い込むように書いてください」

むむ、

慣れもあって、ちょっと早く書いたなと自分でも思ったのですが、

バレバレです。

今まで硬い毛の細字用筆で書いていました。

硬い毛の細い筆で太く書こうとするととても力が要ります。

グリップを付けて持つところを太くしてみたのですが、

それでもたくさん字を書くと腱鞘炎になりかかって、

指や手首が夜中に痛む・・・

いろいろ考えてみました。

平安時代、きっとこんなに細い筆はなかったはず。

源氏物語絵巻　夕霧　の段　

夕霧が読もうしている手紙を、ラブレターと勘違いした奥さんの雲居の雁が嫉妬に駆られて奪い取る場面です。

夕霧の膝前に返事を書くための硯と筆の入った箱が描かれています。

下の絵は私が同じサイズで描いたものです。

落剝の激しい絵巻をもう少しわかりやすいように再現しています。

硯箱を拡大

向かって右から　紙切刀、筆2本（キャップを被せてあります）　

硯、少し小さい筆、短くなった墨を持つための墨ばさみ

箱のこちら側に水指

当時、現代のような、とても細い筆はなさそう。

源氏物語絵巻の字は少し細い程度の筆で書いたのではないでしょうか？

そこで最後の1枚は少し太くて先の効く写経用の筆で書いてみました。

写経用の筆は、太細が楽にでて、するすると書けます。

でもそうすると早書きになってしまうのです。

下は細字用の筆、　鼬（いたち）毛の中でも硬め、細く力強い線質と仮名の息の長い線質が出せるという筆。でも、軸は直径５㎜と細いので持つのに疲れます。持つのが少しでも楽なように、鉛筆用のスポンジのグリップを巻き付けて糸で縛って固定してみました。

上は写経用の少し太くて短い穂の筆

太い筆で小さいくて細い字を、食い込むようにしかも美しい曲線を出して書く、

なかなか至難の業ではあります。

着物　　濃い藍色地の宮古の上布（苧麻の手紡ぎ手織り）

帯　　　裏柳葉色の代わり織の紗に波と千鳥模様、つづれ織（手織り）

帯揚げ　水色と薄い千草色

帯締め　薄い緑と白の変わり組

お太鼓部分

宮古の上布はとても涼しいのですが、

体に付かずフワフワするし、しわも寄るし、

風をはらんで涼しくていい、といえばそうなんですが・・・

特に正座して立ち上がると下半身は横しわが寄って

すそが降りて来ません。

ぴしっとした着姿からは程遠い。

この際「裾すぼまり」などは忘れて、

「裾広がりのふんわりスカート」と思うことにしました笑。

書道のお稽古と筆