「仏像はな、走っているんだよ」
この謎めいた言葉は写真家 故土門拳氏が仏像の撮影について語ったらものらしく、やはりその道のオーソリティは、頭の中も突っ走っているなあと感じます
で今回は日展名古屋展の彫刻の事です
彫刻も走っている
そう感じるのです
狭義的には時間の中を走っています
彫刻を撮影主体として撮っている時に、人が写り込んでしまう場合は、時間経過の中で常に空間は動いていると行って良い
私の場合、撮影はサッとカメラを向けてシャッターを切ってはおらす、右目はファインダーから、左目は直接対象を見つめ、「ここ」のタイミングでシャッターボタンを押す
また、太陽は常に動き、雲が風で移動して影がかかったりして、光線の変化で表情は常に変わっていきます
ならば、屋内の一定の光の場合は止まるか
いや、この場合一度撮った後、もう一度彫刻を見た時に、何か発見があったりすると、その見え方が全く変わり彫刻の表情はガラリと変わります
彫刻と対峙するたびに表情が変わり、その度にシャッターを切り直す
非常に難しいものだと実感しています