九州の方言で「たまがった」という言葉の由来は「金玉が上がるほどびっくりした(たまあがった→たまがった)」である、ということが納得いかなかったので調べました。

 

疑問

・鹿児島弁で「上がる」「上がった」という言葉を使うか?

 →あぐっ、って言いそう

・鹿児島弁には男言葉と女言葉があったが、女性でも「たまがった」と言っていた。

 今より女性らしさを求められる中でそのようなスラングを使うか?

 

調べた結果

・「魂消(=たまげる・たまぎる)」が由来であり、魂が消えるほどびっくりした、という意味

・そもそも「たまげる」は九州だけでなく東北地方でも使用される

・近畿を中心に「びっくりする」→「おびえる」→「たまげる」の順で使用されている

・「たまぎる」という言葉は、驚くという意味で平安時代の山家集(1180年ごろ)に収録されている

 いとほしやさらに心のをさなひてたまきれらるる恋もするかな

・「金玉」が男の急所として文面に残っているのは1590年(安土桃山)、江戸時代には用いられていた。

 

結論

「たまげる」という言葉は「魂消(=たまげる・たまぎる)」が由来であり、「金玉」より先に存在していた。

そもそも九州だけの方言ではない。

 

所感

フェイクニュースや「マンボウすぐ死ぬ」のように、正しいことよりインパクトのある情報のほうが広まりやすい。

自慢げに知識をひけらかす前にファクトチェックが重要。