美しい海と豊かな自然、広い空を感じられる五島列島は、TVや映画のロケ地として何度も登場します。

大瀬崎の青い海と広い空

 

福江島は映画の「喜びも悲しみも幾年月」や「男はつらいよ」、「悪人」、「くちびるに歌を」などが撮影され、テレビでもたびたびロケ地として選ばれています。

この秋始まったNHK朝の連続テレビ小説「舞い上がれ!」でも舞台となっています。

画面上に見たことのある風景が映し出され、自宅で「あぁ、この場所行ったことあるよ!」と家族に自慢げに話したりしています。

 

「舞い上がれ!」は、ヒロインが五島列島の広い空を舞う「ばらもん凧」に魅入られて空へのあこがれが始まり、パイロットへの夢を追うというストーリーのドラマですが、五島の広い空を見るとその気持ちがわかるような気がします。

空を舞うばらもん凧「五島市東京事務所提供」

 

ドラマの中で絵葉書に写った白亜の教会が、気になった方もいらっしゃるのではないかと思いますが、水の浦教会です。

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水の浦教会は、1797年長崎の外海地区から移住してきた信徒によって始まります。

キリシタン禁制の中仏教徒を装いながら潜伏キリシタンとして生活しますが、長崎に大浦天主堂が建てられたニュースが水の浦にも届き、信徒が大浦まで出かけて、神父と出会い、十字架などをもらって五島に戻ってきました。

明治時代になっても、時の明治政府はキリシタン禁制を続けていましので自宅には神棚や仏壇などがありました。

長崎から五島へ戻ってきた後、形式的に祭っていた仏壇や仏像などを取り払ってしまいます。

1868年、キリシタンが集まって祈っているところに役人がやってきて、捕らえられてしまいました。

 

1873年にキリシタン高札が取り下ろされ、1880年に最初の教会が建てられましたが、潮風が強く老朽化し、1938年に現在の教会が建てられました

鉄川与助氏によって設計施工された教会は、ロマネスク・ゴシック・和風、3つの建築様式が入り混ざって建てられ、青空に白い教会がとても映えます。

 

港も近く、漁師をしている家庭が多かったのですが、海難事故などで一家の主を失った家庭もあり、ここに修道院も作られました。

 

あまりの美しさに、五島で結婚式を挙げたい教会のNo.1だそうです。

 

教会も素晴らしいのですが、教会の裏手には1~14のステーションで構成されるイエス様の十字架の道行き(悲しみの道ヴィア・ドロロサ)があります。

周辺は教会のシスターたちが心を込めてお世話しているお花が、きれいに咲いています。

 

ツアーでは教会堂だけでなく、このヴィア・ドロロサにも行き、1か所1か所で説明しますが、ときおり、シスターがお花の世話をされていて、「きれいなお花ですね!」、「どこから来られたんですか?」と会話が始まることもあります。

 

第1ステーション「イエズス死刑の宣告をうけたもう」

 

この十字架の道行きを歩いていくと、イエス様が倒れられたところや、クレネ人シモンとの出会い、イエス様の十字架とお墓があります。

十字架の道行きの後に教会墓地につきます。

信徒の方々のお墓や、五島出身のキリシタンで、長崎の西坂で処刑された、26聖人の一人ヨハネ・五島の像もあります。

 

2023年の2月以降、この水の浦教会を含めた「長崎・五島・平戸キリシタンの旅」を企画していますので、朝の連続ドラまで紹介された場所も含めて、ご一緒に訪ねてみませんか。