選手は誰だって、今の持てる力を出し切って納得のいく演技が出来ることを願っていると思う。それは自分はもちろん、他の選手に対しても。
いい演技が出来たらそれを喜ぶ。
それが自分でも、他の選手でも。
ただそれだけのことよね。
間違えてツイートしている人を見たけど、グリーンルームの日本選手3人がネイさんの演技を喜び、讃えたのは、ネイさんの演技が終わった後カメラがグリーンルームに切り替わった時であり、点が出てネイさんの金メダルが確定した瞬間ではない。
いい演技だったことが純粋に嬉しいのよ。
同じ競技に携わる、アスリートとして。
3人とも、その気持ちをカメラに向けて、ネイさんと、観ているフィギュアファンに届けようとした。
羽生さんも、ずっと頭上で拍手をして、最大限にネイさんを讃えています。
最高難度のプログラムの遂行。
ネイさんは怪我を抱えたシーズンでもあった。
コロナ禍で厳重に感染対策をし、
普通に息をするにも苦しいであろう医療従事者用マスクを練習時にもつけ、
ここまで来て運悪く感染し個人戦に出られなくなってしまった選手の気持ちを慮り…、
各国メディアの殺到するぶら下がり取材にも試合の前でさえ丁寧に応え…、時には敬意を欠く失礼な質問にも悪意に取らず温かく返答し、メンタルをポジティブに保ち…、
平昌オリンピックから4年間、試合に出続けた上で、安定した成績を残し続け…、
そのどれもがどんなに難しいことか、選手は知っているから。
スケボーだってスノボだって、順位関係なく、いい演技を選手皆で喜び合っていたよね。
フィギュアスケーターも、同じだと思う。
そして、「羽生さんが退室する時、二人は無視していた」と捏造し、意図的に中傷している人がいるけど、二人とも羽生さんに頭を下げて、敬意を表しています。ご確認ください。
私は、前はなかったグリーンルームというシステムが始まった時、悪趣味だと思ってた。
でもそんな憐憫の感情を、見る側が選手に対して抱く方が失礼だったんじゃなかったかと、時が経つにつれてだんだん思えてきた。
それは、いつもグリーンルームにいる選手たちが自分の順位に関係なく、後の選手の良い演技を観て喜び、純粋に讃えていたから。
それは、なんと素晴らしいスポーツマンシップだっただろう。
平昌オリンピックのグリーンルームで…、
試合は選手のもの。グリーンルームも選手のもの。ファンはそれを観せていただいているだけ。
グリーンルームでの選手のリスペクト表現すら受け入れられず自分の黒い心をぶつけて、選手を非難せざるを得ないファンがいる。
最高難度のプログラム構成で、ネイさんが力を発揮できたことを自分のことのように喜べる、グリーンルームにいる3人の日本選手のその姿を見て、真剣勝負の先にある美しいものってこういうことだと感じたのは、幸せなことだったのだなあと、改めて思う。
その眩しいほどの精神の美しさをまのあたりにして…、
私は選手を尊敬するし、私の毎日を前向きに頑張ろうと思えるのです。
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