歯医者の予約が当日めでたく取れてしまったので、
私は重い足をひきずり戦場へと赴いた。
医院のドアを開けるなり私を迎え撃つのは、
「キーーーン!」というドリルの音と
消毒液の香りがつくり出す独特のハーモニー。
待合室で雑誌を手に取りパラパラとめくるが、
まったく頭に入ってこない。
そうこうするうちにX線室に呼ばれ、まず レントゲン を撮る。
そして診察台に横たわるやいなや、
今撮ったレントゲンが目の前の 液晶モニター に表示された。
歯医者は実に何年かぶりだが、
私の知らないうちにこんなに進化していたとは…
映し出されたレントゲンはまるで歯の見本のよう。
私は中学から高校にかけて歯列矯正をしたので、
自分で言うのも何だが 歯並びだけ はいい。
一体この白い小宇宙のどこに虫歯が潜んでいるのか…
自分の口内に宇宙を感じ感慨にふけっていると、ついに先生が登場。
症状を説明し、いよいよ恐怖の診察が始まる。
「どれどれ…」
「あ~親知らず虫歯だね。
すぐに抜歯しなきゃだめだよ」
と宣告されるのを覚悟し、
半ば諦めてダラリと口を開けていたら
「ん?虫歯??なってないよ」
えええええええええええええええ
じゃああの痛みは何だったのか。
私が尋ねると、先生は奥歯に
紙のようなものを挟んで噛み合わせ(シャレではない)を調べ、
「他の歯よりも噛む時に力がかかるからでしょう」
と言い、歯の表面を少し削って当たりを弱くする処置を施した。
「本当にこれで大丈夫だろうか?」
「セカンドオピニオン必要じゃなかろうか?」
と疑問を持ちつつ、その日の治療は終了。
しかし左上の親知らずはもともと対になる左下の歯がなく、
役割を果たさないため 抜歯が決定 。
「抜歯は時間のあるときでいいよ~」と言われたものの
今から不安でたまらない。
あぁ 出血大サービスのXデー はいつになるやら…
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