ドラマ「ザ・テラー(2018)」全10話 | 助六ノ映画鑑賞残日録

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「ザ・テラー」 2018年 全10話 アメリカ 原題:The Terror (原作)ダン・シモンズ ドラマ/ホラー/サスペンス (監督)エドワード・ベルガー他 (出演)ジャレッド・ハリス、キーラン・ハインズ、トビアス・メンジーズ

 

 

あらすじ)

ジョン・フランクリン隊長が率いる英国海軍の探検隊は北西航路を発見する為に二隻の軍艦で北極圏を航海していた。

 

“エレバス号”には隊長のジョンが、“テラー号”には副長のフランシスが乗船しており、総員数は両艦で129名だった。

 

しかし、“キングウィリアム島”付近で屈強な氷河に囲まれた二隻の船は全く動けず、孤立してしまう。

 

このまま氷上で越冬するか、救助を呼ぶかでジョンとフランシスは激しく対立して険悪な仲になってしまう。

 

取り急ぎ、水路を見つける為に先遣隊を調査に向かわせるが、隊員がシロクマと間違ってイヌイットの男を射殺してしまう。

 

その直後から、謎の巨大な生物の襲撃が続き、身動きの取れない探検隊は重要な決断を迫られるが・・。

 

 

感想)

北極圏に位置する北西航路の未開拓部の海図を作る為に1945年に出航して後に消息不明になった探検隊の実話だ。

 

探検隊が辿った過酷な末路を、史実と北極圏に住むイヌイット族の伝承(目撃談)を元に大胆なフィクションを加味して描いている。

 

何故、129名もの船員が、3年もの食糧を携えて装備も充実した頑強な軍艦で消息不明になったのか?

 

そこには、イヌィットと精神的に繋がる“トゥンバック”と呼ばれる謎の巨大生物の襲撃が大きな要因となる。

 

物語は冒険譚から一挙にホラーティストなパニック映画へと変貌し、かなり重要な人物が早期に犠牲となるので驚く。

 

また、食事事情に絡む病が乗組員の体力と精神力を蝕み、一部の船員の扇動による反乱で、生存する可能性は著しく低下する様は見ていて辛い。

 

フィクションが大きく反映された本作品の驚くべきエンディングは一見の価値有りだ。

 

さて、本作品は“テラーシリーズ”と名付けられた歴史的事実と虚構を巧みに織り交ぜたホラーアンソロジーの一篇だ。

 

第2弾は、太平洋戦争時の日系人強制収容所内で起こる怪異な出来事が描かれ、今夏に放映される。

 

ジョージ・タケイや祐真キキが出演するが、日本でも早く配信して欲しい期待大のドラマだ。

 

個人的満足度/★★★★★★★★★★(満点)