映画「SPL/狼よ静かに死ね(2005)」BD | 助六ノ映画鑑賞残日録

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「SPL/狼よ静かに死ね」 2005年 香港 英題:SPL: Kill Zone 93分 アクション (監督)ウィルソン・イップ (出演)ドニー・イェン、サイモン・ヤム、サモ・ハン、ウー・ジン、谷垣健治

 

 

国内では新品が入手できないので北米版を購入。中古商品は基本的には買わない。日本語字幕、吹替えなし。

 

胸をはだけたシャツにシルバーを身に着け、黒いスーツで佇むドニー・イェンはどこから見てもかっこ良いが刑事に見えない。

 

本作品では、「デブゴン」こと、サモ・ハンが初の悪役を演じた。凄味のある演技とキレのあるアクションは必見。

 

暗黒街のボスを逮捕する為に証人を用意したチャン刑事だったが、ボスが雇った殺し屋に証人は殺されてしまった。

 

3年の月日が経つもチャン刑事はボスの逮捕に執念を燃やすが、仲間の潜入刑事が殺され、違法捜査でボスを逮捕する。

 

チャンの後任で赴任してきたマー刑事はチャンの動向に眼を光らせ、行き過ぎた行動を戒めるが、チャンは聞き入れない。

 

オサレ過ぎるマー刑事は、過去に犯罪者を強烈なパンチで吹っ飛ばして、後遺症を残した苦い過去があった。

 

ボスは違法逮捕の報復に暗殺者をチャンの仲間に差し向ける。仲間を殺されたマーは怒髪天でボスのアジトに乗り込むが・・・。

 

終盤に用意されたマー対暗殺者の警棒とナイフの対決が凄い。アクション映画史に残る名シーンだ。音楽も良い。

 

本作品では従来の功夫に加え、投げる、極める、マウントポジションからのパンチと、総合格闘技的な戦い方が描かれる。

 

常に新しい殺陣を生み出すドニー・イェンの計算し尽されたアクション設計が素晴らしく、彼自身の蹴りは神速で美しい。

 

しかし、突如訪れる壮絶なエンディングは目を疑う。まさに原題の「殺・破・狼」が表わす因縁じみた幕切れだった。

 

★★★★☆(満点:★5つ)