しあわせ、という日本語が、
幸福という漢字に変化してから、
欧米流の幸福論に惑わされてしまった。
こんな言葉からはじまる
禅師のしあわせ論。
いつもながら、分りやすく、納得感が高い一冊。
なんとなく幸福論的書籍は、
こそばゆいので読みにくいが、
禅師の言葉で語られる
日本的しあわせ論は素直に頷ける。
曰く、
幸福は、欧米的物質的幸福の定義、
しあわせは、日本的人間関係の中に存在する幸福感。
もともと「しあわせ」は「仕合せ」から来ている言葉。
人と人との間にある感性なのでしょう。
近代機械化文明によって、
私達は確かに、生活全般便利になった。
苦役に近い家事は消えてなくなり、
何もしなくても、洗濯、掃除などは終わる。
そこで得たのは「時間」。
しかし、得た「時間」の使い方が分らなければ、
失ったもののほうが大きいともいえる。
本当のしあわせは、
あなたと私の間にある。
その時間を大切にしたい。
※玄侑宗久禅師著「しあわせる力」禅的幸福論 角川SSC新書2010年1月24日刊