※FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学(河出書房新社2010年1月20日刊)を読んだ。
ジョー・ナヴァロとマーヴィン・カーリンズの共著、西田美緒子訳。
※人間の「しぐさ」の中に、無意識に表現されてしまう「本音」。その「しぐさ」に、ノンバーバル・コミュニケーションの本質を見出し、様々な犯罪心理を読み取ってきたジョー・ナヴァロの経験を科学的に分析したのが本著だ。
※言葉によるコミュニケーションをバーバル・コミュニケーションと呼び、言葉以外のコミュニケーションをノン・バーバル・コミュニケーションと呼ぶ。ボディ・ランゲージという言い方もある。
※言葉では「否定」していても、本当は自分が犯罪を実行したと分っている自分には、その言葉にある「嘘」を、足の動き、手の動き、身体の動き、表情の細かな動きの中に反映させてしまうというコミュニケーションの仕組みが分って、とても面白い。
※これまでも、例えば、話をしていて腕組みをした場合は、その話を拒否する心理を表すとか、足を組んだ姿勢で話をする人は、虚勢的な心理を隠そうとするとか、いろいろなことが言われてきましたね。
あるいは、露骨に嫌な表情をすれば、それは拒絶を表しているのは誰でも分かるとして、一見好意的な表情をしていて言葉でもそういっている場合でも、本音は拒絶であったりすることもあるわけですね。
※犯罪捜査官の、様々な質問の投げ掛けにより、言葉だけでかわしていこうとする犯罪者の心理は、逃げ切れないというわけですね。ここで重要なのは、「巧みな質問」にあります。
※人の心は、自分でも分からない本能的な判断を伴うものであるということ。もしかしたら自分でも分からない「なんとなく嫌な気分」、「何となく楽しい気分」を、自分の身体の動きを観察することで、理解していこうとするのも楽しいことかもしれない。
※但し、これはあくまでも、態度やしぐさの中に現れる表現に対する「仮説」であることを忘れてはならないと、本著は警告もしています。
人間の心理は、1億5000万個の脳の神経細胞の複雑な交流の生み出す謎だと指摘されることもあり、単純化する場合は「決め付け」の間違いにも十分注意が必要というわけです。でも、空気を読んだり、相手の本音を覗くためには、「しぐさ」は興味深い信号であることは確かですね。