デザインしないデザイナー ナガオカケンメイさんの仕事 | 考える道具を考える

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TBS系列の番組「情熱大陸」に、今注目されているデザイナー ナガオカケンメイさんが登場していた。

何が注目されているのか?
それはデザインしないデザイナーとしてユニークな活動をしているその中身だ。



例えば、デザイナーの視点ではじめたリサイクルショップ「D&Department project」。現代の商業デザインの世界を否定的に捉え、主に1960年代に創造された様々な生活デザインに着目する。

一言でいえば、長く使われ続けている商品には人間の本質に迫る本来の価値が隠されているという考え方に基づいて、デザインを見直してみようという試みのように思えた。

学校の教室で使っていた椅子。上履き用のシューズ。無印良品のリサイクル等。リデザインの考え方で本物を再生し現代の生活に再提案する試みといえるでしょうか‥‥。


デザインによる新しい価値の創造。そのディレクションこそが彼のデザイナーとしての仕事なのでしょう。モノを創るだけでなく、モノの価値を組み合わせ、新しい関係性を創造する創造屋としての活動なのでしょう。


そういえば、戦後、経済的急成長を目指したした私達は、日本の歴史や伝統といった日本人のDNAに沁み込んだ「時間の蓄積がなければできない価値」を無視してきたのかもしれません。軽薄な文化的生活の外面だけを装う風土を一度全部捨ててしまい、日本人が創造してきた日本人らしい生活価値観を見直す必要があるのかもしれませんね。

その意味で、デザインしないデザイナー ナガオカケンメイという存在自体が、時代が生んだアンチテーゼといえるのかも知れない‥‥だから、その活動の先にある新しい価値の評価軸の提案に、多くの消費者が共感し、混迷する現代デザインの世界の大御所も一目置くのだろう‥‥と思いました。


    ‥‥テーゼ アンチテーゼ ジンテーゼ
      弁証法的思考による挑戦には、常に本質に迫る情熱が溢れている。

    ‥‥何か、変? と感じる皮膚感覚を大切にしたいと思いました。