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め以子(杏)たちは希子(高畑充希)に「焼き氷の歌」を街頭で歌わせようとするが、希子は尻込み。
悠太郎(東出昌大)は、和枝(キムラ緑子)に「め以子の籍を外す」と答える。
そして、正蔵(近藤正臣)のとりなしをはねつけるが、源太(和田正人)から、「め以子に嫌われまいと、本心を語れないでいる」と指摘される。
新発売の焼き氷はさっぱり客が集まらず、希子は、め以子を思って勇気を奮い起こす。
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希子、なんて恐ろしい子
53話は室井が2階から降りてきて、馬介屋で夕食を食べていため以子達に室井が作詞した歌詞を見せるところから話が始まります。
馬介屋に置いてあるオルガンを桜子が見つけ、馬介の姉がオルガンを弾ける事を知ると、桜子は馬介の姉に伴奏を付けてもらうことをお願いし、馬介は快く引き受けます。
桜子はどうやら歌詞に歌を付けて、ビラを配りながら歌うのだと言う。
でも誰が歌うのかという話になり、桜子は以前希子の綺麗な歌声を聴いたことから希子を指名するも希子は尻込み。仕方なく桜子が歌うことになる。
翌日、馬介の姉 龍子が桜子に焼き氷の歌を教えるも、あまりの調子外れに雲行きが怪しくなります。
【悠太郎の気持ち】
一方、西門家では出ていって7日になるめ以子をどうするのか和枝は悠太郎に聞きます。
悠太郎は姉の言う通り、合わないところに縛りつけておくのは殺生だ、西門家に来たのがそもそもの間違いだったと明日、籍を外すと和枝に告げます。
翌日、悠太郎の職場に正蔵が訪れた時も、正蔵は今ここで止めないとめ以子はほんとうに出て行ってしまうかもしれない。
正蔵は自分がどこか遠いところに行くから許してあげて欲しいと説得するも、悠太郎は正蔵が家から逃げ出したのにその事は関係ないと言って取り合おうとしませんでした。
同じく、職場で源太(と染丸)が悠太郎に事情を説明する際も、自分と一緒にいるよりも源太達といた方が、め以子も幸せになれると思うと拗ねている様子でした。
それでも本音は別にあり、め以子に自分の女々しいところを見せたくなくて、嫌われるのが怖い気持ちがあります。
【源太の格好良さ】
源太はいい男だと思います。
源太は悠太郎に「格好をつけるな!焼きもちやきで、しつこくて、懐も小さくて、格好悪い男なんだから正直になれ。」と厳しく言いますが、悠太郎とめ以子の仲を思ってこその発言でもあります。
め以子と話し合って、自分の本音をしっかりぶつけてこい。
嫌われても、女々しくてもそれで嫌われるようだったら、どの道続かないだろうと雄太郎を後押しします。
【希子の気持ち】
一方、桜子達を心配して駆けつけた希子。
桜子が焼氷の歌を披露するも、あまりにも調子外れなせいか室井が商店街でビラを配っていても誰も受け取らず、通行人がみな耳を塞ぐ有様でした。
希子は今までめ以子に良くしてもらった事を思い出します。
お見合いの事、お弁当の事、いつもめ以子は希子の事を真剣に考えてくれていました。
そして希子は勇気を振り絞って、歌を歌うことを決意します。
希子が歌いだすとその場は優しい華やかな歌声に包まれ、みるみる商店街に人が集まり、希子の歌に耳を傾ける人や、中には手拍子をして盛り上がる人もいました。
その綺麗な歌を聴いて感動した人達は、焼氷を食べてみたいという気持ちになり、焼氷屋はたちまち大盛況となりました。
希子の歌を聴いた悠太郎は、希子から焼氷のビラを渡され、め以子に思っていることを全部打ち明けようと決心します。
馬介屋は大繁盛に終わり、そろそろ店を締めようとしたところ、悠太郎が馬介屋台を訪ねます。
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焼氷の歌
作詞:室井幸斎 伴奏:龍子 歌:希子
伴奏
(世にも不思議な焼氷
うま介印の焼氷 うま介印の焼氷)
イントロ
氷、氷、氷なのは間違いないのさ
♫間奏
Aメロ
ところがどうにも噂だと
なんでも火をふく氷だと
Bメロ
氷のお山に白帽子
パッと火が付きゃ こんがり焼けて
溶けそで溶けないもどかしさ
♫間奏
サビ
熱くて冷たいあの人と 甘くて苦い恋の味
あっと驚く玉手箱 一度食べたらもう虜
あなたも私も あなたも私も
テーブル囲んで ドレミファソ
Cメロ
食べてみはって 摩訶不思議
寄っておいでな 天神橋筋
アウトロ
世にも不思議な焼氷
うま介印の焼氷 うま介印の焼氷
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焼氷の歌は、曲の構成がミュージカル風になっていて、イントロからラストまでストーリーが完結していて素晴らしい曲だと思います。
そしてこの目まぐるしく変わる曲を完璧に歌いこなす希子の才能が恐ろしい・・・。
龍子と桜子のやり取りを別の作業をしながら、ただ聴いていただけで全く練習もしなかったのに・・・。
姫川亜弓も彼女の天才ぶりにはびっくりですよ。
今回の話では、一番印象に残ったのは希子の綺麗な歌声だったのですが、桜子の調子が大げさに外れていたところが気になりました。
歌というのは鍵盤の音程通りに声を出すだけで良いのですが、桜子は一切なぞることをせずに、1オクターブ高いキーで音程を外しアレンジしていました。
焼氷の歌はこのようにド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#の音符をただ並べて歌うだけの曲です。
単純にその音符を並び変えているだけなんです。
桜子はお嬢様という事でピアノやバイオリンを嗜(たしな)んでいても良いのではと思いましたが、当時はピアノはなかったのかもしれません。
比較的貧しい西門家育ちの希子ですが、練習もせず、別の作業をしながら桜子と龍子のやり取りを聴いていただけであれだけ歌えるのはもはや天才としか言いようがありません。
希子の歌声は、伸びやビブラート、抑揚、正確な音程、リズム、どれをとっても完璧です。
そして歌いきった後のはにかんだ表情は、何か心を突き動かされるようなものがありました。
今までは希子は地味で全く好きではなかったのですが、魅力的な部分を見せられるとこうも評価がガラッと変わってしまうところは面白いですね。


