米崙斷層:衛星による解析
2018年花莲地震:
これまでの経緯は「Earthquake:2018年花莲地震」、長くなってきたので分離します。
「合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地殻変動」(建設省国土地理院)
日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)の観測データによる解析結果です。
上記ドキュメントより:3年前と比較した干渉画像(左)と花蓮市部分の拡大(右)
花蓮市周辺で表れている大きな変位の中で、線状に不連続な領域があり、
それが既知の断層である「米崙斷層」と一致していることが判ります。
この「米崙斷層」、1951年の「1951年縱谷地震系列」(このときは時間差複数震源)で
大きな被害を出しており、花蓮市内で地表の変位も確認されています。
「1951年縱谷地震系列」のときの情報が赤線(1951年地震地表破裂)で示されています。
断層の北側で、道路が無い領域が断層と並行しているのは花蓮空港です。この空港、
救援物資の輸送に使われていたので、閉鎖するほどの被害は出ていない模様です。
また、南側には美崙溪の三角州と考えられる階地堆積層の領域(橙色)があり、
この領域には比較的大規模な建築物が目立ちます。このうち断層付近の建物に、
大きな被害が集中しているのです。
# 現在は目に見えなくなっていますが、断層のラインに沿うような形で河口まで至る
# 別の水路(過去の河川)が存在した事を、地質調査の結果が示唆しています。
左:花蓮空港 (Wikimedia Commons / 國防部軍事新聞通訊社)
右:臺灣花蓮縣的美崙溪 (Wikimedia Commons / Mnb )
右の写真では、背景に倒壊した雲門翠堤大樓が写っています。地質調査の結果から
推測すると、このあたりが三角州の頂点となり、過去の河川の一部は、このカーブの
向こう側のあたりから、断層と並行する形で直進して南下していたと考えられます。
# 三角州での断層による被害の例としては、2005年の福岡県西方沖地震があります。
参考:「長周期地震動の特徴」(気象庁)
要点:
1.マグニチュードが大きい地震ほど長い周期の揺れが大きくなります。
2.長周期地震動の主成分である表面波は震源が浅い(地表面に近い)ほど卓越します。
3.堆積層で長周期の波は増幅されます。
今回も、これらの要件を満たす要素が揃っていたと考えるのが妥当でしょう。
「0206花蓮地震資訊彙整」(國家實驗研究院國家地震工程研究中心)
Hualian Earthquake Information (PDF,49ページ)
- 2018-02-06 花蓮地震概要 (V7.2) [中文版] [English Version]
この資料の中に、断層の位置と大きな被害のあった建物の相関図があります。
赤丸が大きな被害のあった建物、観測所(黄色の三角)のデータも添付されています。
ここから後方のページには、それぞれの建物の被害状況の写真も掲載されています。
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2018年花莲地震「募金の案内」リンク
* Yahoo!基金
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「だいち2号」(ALOS-2)によるもうひとつの成果物:
ここからは、「Oil spill:原油流出」の続きの様な感じで、JAXAの公開文書です。
「東シナ海におけるタンカー(SANCHI号)炎上事故に伴う油流出」(JAXA)
左:沈没地点と黒潮の相関 右:レーダー反射の差異から得られた油膜の様子。
沈没地点から1Km程離れた位置で海面上に現れている様です。
継続的に観測出来れば、より良い結果が得られる事でしょう。
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打ち上げられたばかりの「しきさい」(GCOM-C1)による成果物:
ここからは、「Ring of Fire:環太平洋火山帯」の続きの様な感じで、JAXAの公開文書です。
「「しきさい」が捉えたフィリピン、マヨン火山の噴火」(JAXA)
(赤・緑・青波長の250m観測データで作成したRGB画像) (Google Map)
噴煙と雲がみられますが、温度が違うので、熱赤外画像のデータを使うと分離できます。
(熱赤外波長の観測データで作成した輝度温度画像)(ハザードマップ)
温度の違いで噴煙と雲を分離できています。また、活動している火口と火砕流も
識別できています。フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)のハザードマップでは、
いちばん太い赤色の線が半径6Kmですので、避難指示地域の近くまで火砕流が
到達していることも判ります。
こちらも活用はこれからの衛星ですので、今後の成果に期待です。
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(以上)
R.I.P.
Minoru Ozone: EARLY MAKOTO OZONE 1983 (YouTube)
Poor Butterfly / Big Friendly Jazz Orchestra 2005 (YouTube)
Lady Bird / Ozone Team (Tadd Dameron) 2011 (YouTube)
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