2015 BZ509:逆行小惑星(系外由来か?彗星か?)
木星の軌道と共鳴関係にある軌道に、2015 BZ509と呼ばれる小惑星があります。
最初に発見されたのは2014/11/26、ハワイのハレアカラにあるPan-STARRS PS1
(1.8m)による成果です。彗星とは判断されず、2015 BZ509の名称が付けられた後、
2018/03/02に小惑星として登録され、(514107) 2015 BZ509となりました。
特徴的なのは、(公転)軌道が木星に近い位置で「逆行」(逆回り)していることです。
2015 BZ509の100日単位の軌道上の位置図(Tomruen/Wikimedia Commons)
上図で地球は水色、火星は赤色、木星は紫色で示され、2015 BZ509は約160度傾いた
(つまり、ほぼ逆向きの)軌道を、木星とほぼ同じ周期(約12年弱)で回っています。
上からみた軌道(Nwbeeson/Wikimedia Commons)横から(Nwbeeson/Wikimedia Commons)
太陽系の形成過程で、木星とほぼ同じ条件で形成されたと考えると、この逆行した軌道は
説明が付かず、他の逆行小惑星と同様、たとえばケンタウルス族の小惑星と同様である
ならば、ある程度の軌道傾斜の説明は付きますが、いずれも木星よりは外側の軌道です。
Wrong-way asteroid avoids cosmic crash (YouTube) Western University 軌道の説明動画
LBT(8.4mx2の双眼望遠鏡)が捉えた2015 BZ509(黄色の円内)(Christian Veillet, LBTO)
この少し変わった小惑星の軌道を、時間を遡ってシミュレーションしてみた結果から、
「オウムアムア」同様、太陽系外由来である可能性を示した論文が発表されました。
「木星に近い軌道の小惑星、45億年前に太陽系外から「移住」」(CNN)(概略)
「逆回りの珍しい小惑星、「太陽系外から来た」説」(National Geographic)(長文)
「Astronomers Spot Potential "Interstellar" Asteroid Orbiting Backward around the Sun」(Scientific American)(長文)
「An interstellar origin for Jupiter’s retrograde co-orbital asteroid」(Oxford Academic)(論文)
おおまかに言うと・・・
・100万個のクローンを作って、過去に遡った軌道変化を分析した。
・そのほとんどは100万年単位でなら安定、それ以上の期間だと軌道が変化したり、
衝突したりして結果は不安定になる。
・一部のグループは数千万年の単位でならケンタウルス族の小惑星と類似、しかし、
それ以上遡ると、結果は不安定になる。
主なケンタウルス族小惑星の軌道位置と傾きの相関(Eurocommuter/Wikimedia Commons)
・さらに少ないグループでは、45億年前まで遡ることが出来るが、その時点で存在して
いたとすれば、太陽系外から到達した可能性がある。
・太陽系外から到達していて、その軌道を系内に捕捉したのだとすれば、ある程度の
まとまった重力源(惑星等)が構成された段階(大体35億年前)が妥当と考えられる。
あくまでも消去法で可能性を論じているだけなので、いろいろと突っ込まれているみたい
ですが、可能性はゼロではありません。で、「35億年ほど前に太陽系外から到達」して
捕捉され、現在の比較的「安定した軌道に収まってしまった」「可能性がある」なのです。
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2015 BZ509の2018年前半の見かけの逆行の位置関係図(Tomruen/Wikimedia Commons)
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まぁ、将来、サンプルを採取して組成を分析できる様になれば、もう少し解ることでしょう。
(以上)





