Meltdown/Spectre :intelの対応(2018/04)

 

2018/01/05「Meltdown/Spectre :脆弱性」に書いた各社の対応のうちintelの部分、

2018/04/03時点で「microcode revision guidance april2 2018 (PDF)」(English)(intel)

というめやすが示されました。

2018/04/06「Bringing the Security-First Pledge to Life with New Intel Product Assurance and Security Group」(English)(intel)

 

ただ、これ、製造者目線で作られているので、ユーザー側から見たら解り難いものに

なっています。でもまぁ、大雑把な把握は、この文書を「色模様」と捉えれば可能です

例として、上のPDF文書のうちの1ページを示します。(English)(intel)

赤字(赤色背景)の行のProduction Status(黄色背景)の列にStoppedと書かれています。

「この部分は対応を取りやめた」という事です。Public Nameの列が、市販時の名称です。

 

お使いになっているPCのCPUの名前がわかっている場合は、この文書を開いた状態で

[ctrl]+[f]で文字列検索(例:E8400など)を行って合致するものがあれば、その文字色と

背景色で、対応/対応中止の見分けができます。でも、それだって面倒ですよね。(笑)

 

・面倒なので、さらに大雑把な見分け方をしてみます。

まず、この「対応中止」となった行にある代表的なものを列挙してみます。

 

Core2 Duoの例(Jürgen Melzer/Wikimedia Commonns) LGA775の例(Smial/Wikimedia Commons)

 

Bloomfield Core i7 930 Xeon W3550 / Clarksfield Core i7 720QM 820QM
Gulftown Core i7 970 Xeon W3690 / Harpertown Xeon E5450 X5450
Jasper Forest Celeron P1053 Xeon EC5539 LC5518
Penryn/QC  Core 2 Quad Q9100 Core 2 Duo T9600 Pentium T4400 Celeron 925
(SoFIA 3GR Atom x3-C3200RK)
Wolfdale Core2 Duo E8400 E7200 E6300 Celeron E3300 Xeon E5220 E3110
Yorkfield  Core2 Quad Q9300 Q8400 Xeon L3360 X3350 

 

Core i7の例(smial/Wikimedia Commons) LGA1366の例(Appaloosa/Wikimedia Commons)

 

これ、製造時期で言うと2007年から2008年あたり、Core2 Duo/QuadからCore i5/i7

変わるあたり、代表的な形状ではLGA775からLGA1366に変わるあたりを示しています。

 

Timeline of Intel processor codenames including released, future and canceled processors.

(Imperator3733/Wikimedia Commons) (下は45nmルールの周辺を拡大したもの)

プロセスルールでは45nmのもので、設計はハイファヒルズボロの両方が含まれます。

 

また、OSのほうでは、Windows XPからWindows 7への移行時期にあたりますので、

とくに企業ユーザーでは、PCに貼られているWindowsのステッカーと、インストール

されているWindowsが相互に入れ替わっているものも多くあると思います。

 

WinXP (Wikimedia CommonsMicrosoft Corporation Win7 (Wikimedia Commons)

 

というわけで、ハード・ソフト、ともにちょうど入れ替わりの時期で、新旧が混在して

ごちゃごちゃとしていますので、(10年前の事でもありますし)対応は結構面倒です。

ですから、intelとしても、このごちゃごちゃの区間は避けて通りたいのだと思います。

 

もし該当するものが残っていた場合は、「ネットにつなげない」とか、「大事なところでは

使わない」とかして延命することも可能です。意外と多く残っていそうなのは、POSとか、

監視カメラシステムとか、検査分析機器とか、機器に組み込まれてしまったものです。

この種のものは、10年以上使われるものも珍しくはないので、あとは使う場所次第です。

 

Cascade Lake / Lake Tahoe (Trip Adviser) (Google Map)

 

ともあれ、2018年の後半からは設計時から対応が織り込み済みのものが出荷されます。

2018/03/15「Advancing Security at the Silicon Level」(intel)

 

(以上)