Pearl Harbor :真珠湾

 

Asia tour と書くとミュージシャンみたいですが、twitterで「囀る」方がいらっしゃいました。

 

After Pearl Harbor, Trump embarks on Asia tour」(Channel NewsAsia)

Trump told reporters it was "very special being in Hawaii," later tweeting: "Remember #PearlHarbor. Remember the @USSArizona!".
 

愛国心の表現として「うっかり」使ってしまったのでしょうけれど、元をたどれば日本との

戦争を扇動するための政治的スローガンなので、訪日直前のtweetとしては不適切な

表現だったとの批判も受けています。(間接的に「反日」を意味する言葉なのです。)

 

ニュース等でときどき見られる海上での献花、広島と違って屋根のあるところですね。

この場所、フォード島の東側の沿岸にあるUSS Arizona Memorialという施設になります。

 

真珠湾内のフォード島 

左側はNOAAによる海図から、右側はGoogle Mapから。

フォード島には、日本の降伏条約の調印に使われたUSS Missouri (BB-63)の他、

沈んだままのUSS Arizona (BB-39)USS Utah (BB-31/AG-16)が残されています。

 

島の中央部を占める陸軍航空隊跡地は1999年まで使われ、その後は航空博物館

なっています。

 

USS Arizona Memorial

左側はNOAAによる海図から、右側はGoogle Mapから。

施設は沈んだ船体をまたぐ様に設置されていて、献花用の穴が開いています。

海図の方では、実際の水中での船体の向きや形状が判る様になっています。

 

USS Utah Memorial

左側はNOAAによる海図から、右側はGoogle Mapから。

開戦時は戦艦ではなく標的艦になっていました。完全に沈んだ訳では無いのですが、

予算不足で若干の位置調整しか出来ず、傾斜したままの状態で残されています。

海図の方では、実際の水中での船体の向きや形状が判る様になっています。

 

このUSS Utah Memorialのすぐ南西側にはNOAAの施設があり、

海洋調査船の姿をみることが出来ます。

 

NOAAS Oscar Elton Sette (R 335) (NOAA)(Wikipedia)

もともとは海軍のストルワート級音響測定艦でしたが、ソナーやレーダー等の

艤装を変更し、現在はNOAAの海洋調査船になっています。ここにはちょうど

2隻分の停泊エリアがありますが、もう1隻分のほうは空いていましたので、

おそらくNOAAS Hi'ialakai (R 334) (NOAA)は出払っていたのでしょう。

 

また、この反対側には、石油プラットフォームの上に巨大なレドームを

搭載した「海上配備Xバンドレーダー」の珍しい姿を見ることができます。

 

MDA SBX-1MDA) (Moss Drilling and Service Platforms (CS-50))

皮肉にも、ロシアのICBMを監視する為にロシア製の石油プラットフォームを使って

造られたはずが、アリューシャン列島に常駐することも無く、ハワイにいます。

昨今の情勢から察すると、主な目標は北朝鮮になってしまったのでしょうね。

 

フォード島の少し南側の奥まったところには、ミサイル追跡艦が見えます。

 

USNS Howard O. Lorenzen (T-AGM-25)日本語

巨大な2基の平面状レーダーアンテナが際立った特徴です。こちらも

現在の情勢から察するに、北朝鮮向けの監視を行っているでしょうね。

 

また、フォード島の北西側には、NISMF(海軍不活性艦船保全施設)の

ハワイ拠点があり、退役した艦がいくつか係留されているのが見えます。

 

USS Tarawa (LHA-1)  (日本語

2009年に退役したタラワ級強襲揚陸艦の一番艦です。

 

他の艦船は上空から識別できる1-3桁の数字が見えないのですが、

艦首部の「1」が残っているので、識別できます。このすぐ北側では、

各種の艤装を撤去された状態の艦船の姿を見ることができます。

 

(以上)