フィッシャー方程式: MV=PT M:マネタリーベース、V:流通速度, P:価格、 T:生産量


においてVが一定であるという説が貨幣数量説である。 もし、貨幣数量説が正しいとすれば、名目GDPはMに比例する。 しかし、下のグラフを見れば分かるように、これは少なくとも過去20年間の日本経済においては成り立っていない。


マネタリーベースの推移(単位:兆円)

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もし、日銀が金融緩和をして、あるいは、政府の財政政策により、Vが元の値に復帰した場合には、理論上、名目GDPは1000兆円を超えるという計算になる。 つまり、何らかの方法で、流動性の罠を抜け出した場合、名目GDPが現在の2倍以上になるということで、もちろんこれは非常に長い時間を掛ければ、マイルドなインフレーションにより達成可能かもしれないが、短期にそれが達成されるとなると非常に大きなインフレーションが起きることになる。  


従ってMを増やしてマイルドなインフレを起こすという議論が成り立つとは到底考えられない。


現実的には、量的緩和の出口において、日銀はMの急激な縮小を行わなければ、非常に高いインフレーションが起きると考えられる。  


従って、日銀が国債を直接引き受けたり、長期国債を日銀券ルールを大きく超えて買うということになると、量的緩和の出口において、日銀が国債を市場で大量に売ることになり、金利が暴騰することになる。 


もちろんこれは、望ましくもないし、財政破綻を招く可能性があるので、日銀の量的緩和を拡大することには慎重でなければならないし、いつまでも続けることはできない。