1. 補完医療とは

補完医療(ほかんいりょう、またはコンプリメンタリー・メディスン)は、一般的に「伝統的な西洋医学(西洋医学)」と併用する形で利用される治療法や方法を指します。補完医療は、病気や疾患の治療において、西洋医学の枠を超えたアプローチを取り入れ、患者の全体的な健康と福祉を改善することを目的としています。

補完医療は、一般的な医学と併用することで、病気の予防、健康の促進、症状の軽減を図ることができます。治療法の一例としては、鍼灸(しんきゅう)、アロマセラピー、ヨガ、マインドフルネス、栄養療法、ハーブ療法などがあります。

これに対して、「代替医療(Alternative Medicine)」という用語は、通常、西洋医学の治療法に代わって用いられる治療法を指し、補完医療とは少し異なる概念です。補完医療はあくまで西洋医学と併用して行われるのが基本であり、代替医療は代わりに使われることが多いです。

1.1 補完医療の定義

補完医療は、現代医療(西洋医学)の治療法と並行して、患者の身体的・精神的・社会的な健康を総合的に支える方法として、身体全体を見つめる包括的な医療の一環として位置づけられます。西洋医学が主に病気の症状を治療することに焦点を当てているのに対し、補完医療は患者の身体のバランスを取り戻すことに重きを置いています。

補完医療は、以下のような特徴を持っています:

  • 症状や病気そのものだけでなく、患者全体をケアし、身体的・精神的・社会的側面にアプローチする。

  • 西洋医学の治療法と併用し、補完的な役割を果たす。

  • 予防医学の一環として使用されることもある。


2. 補完医療の歴史

補完医療の概念自体は、近代医学の発展とともに形成されてきたものです。しかし、補完医療に関連するアプローチや治療法は、古代から存在していました。世界中の多くの伝統医療や民間療法が、補完医療の現代的な形態に影響を与えてきたのです。

2.1 古代の医療と伝統医療

補完医療に影響を与えた伝統的な医療システムには、例えば中国の伝統医学(鍼灸や漢方薬)、インドのアーユルヴェーダ医学、または古代ギリシャのヒポクラテス医学などがあります。これらの伝統的な治療法は、身体全体のバランスを重視し、薬草、食事、生活習慣、精神的な健康などを重要視していました。

2.1.1 中国医学

中国医学では、気(エネルギーの流れ)や陰陽のバランス、五行(木・火・土・金・水)という考え方を基にして、病気を予防し、治療してきました。鍼灸や漢方薬は、今日でも多くの人々に利用されています。

2.1.2 アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダはインド発祥の医学体系で、身体、心、精神の調和を重視します。自然の法則に基づいて、個々の体質に合わせた食事やハーブ、瞑想、ヨガなどを用いて、病気を治療・予防します。