全日本英系狩猟犬クラブ
英系犬種の特性
全日本英系狩猟犬クラブの求める特性
全日本英系狩猟犬クラブ、略称を全英とする。
全英の審査基準は、基本的に全日本狩猟犬倶楽部(全猟)の審査基準を準用する。
但し、英系犬種の特性を考慮して、以下の点については特に重視して審査に当たるものとする。
1. 全英の求めるバード・センス
2. 全英の求める連絡性、協調性
3. 全英の求める優美さ
4. 全英の求める捜索レンジとスピード
5. 全英の求める感度とバード・ワーク
第一章 全英の求めるバード・センス
ゲームに対する良き素質(狩猟性能)に経験と訓練が加わって伸ばされ、養われた素晴らしい感性で、頭脳的に地形・地物を見極め、ゲームの生息または定着していると思われるオブジェクト(要所・急所)を洞察して狩る、優れた能力を備えていなければならない。所謂、卓越したバード・センス(ゲームの所在へひらめき)を重視すべきである。優れたバード・センスに導かれ、的確にオブジェクトを求めて走る走査線の集合体である良好なパターン(捜索図形)は、ハンドラーのハンドリング技術によって、構成されるものよりも、寧ろ、競技犬が自らのセンスで描くナチュラル・パターンが望ましく、高い評価に値する。脚力に任せて直線的に走ったり、風向きや、猟野またはコースの地形・地物を考慮せず、ただ闇雲に走るような競技犬は、バード・センスに欠けているものと見做される。
第二章 全英の求める連絡性・協調性
複雑多岐にわたる猟野に於いて、最も重視しなければならない事は、犬の連絡性である。連絡とは、主として、犬が自ら行う、生まれながらの連絡性(ナチュラル・レスポンス)を特に重視し、大きく評価すべきである。必要に迫られる“送り笛”の指示には敏感に反応し、直ちにこれに従う従順な協調性(ハンドリング・レスポンス)も充分に評価の対象になるが、過度なハンドリングであってはならない。興奮性の少ない従順な気質は、英系の持つ一つの大きな特性であるが、連絡性が過度の為に、捜索範囲(レンジ)が狭いものや、主命にさえ応じない、自主性過多な犬は、欠点と見做される。主人の存在を意識し、猟野・コースに適応した適度な連絡性が要求される。
第三章 全英の求める優美さ
英系らしい、優美な犬で、性格は温和であり、従順なものをよしとする。軽快、またはシャープで美しい歩態(ランニング・スタイル)を示し、ペースに変化をもたせ、流動的に行動するものが好ましく、活力に富んだものでなければならない。猟技全般を通して、良い印象を与えてくれる態度・行動の美しさ、所謂、グラウンド・ワーク、バード・ワークの内容美も兼ね備えていなければならない。
第四章 全英の求めるレンジとスピード
捜索レンジは、猟野の環境に応じて、広い場所では広く、狭い場所では狭く、捜索範囲を調節し、地形・地物を洞察して、その場その場に適応するものをよしとし、その行動が捜索スピードの緩急を交え、合理的・能率的であるものを重視するべきである。また、困難な地物も、これを克服して捜索し、要所・急所の広く散在する場所では、その継ぎにスピードのあるものが評価される。
第五章 全英の求める感度とバード・ワーク
A. 鳥猟犬に課せられる必須条件のうち、第一義的なものはバード・ワークである。
B. この猟技には、優れた嗅覚及び判断力と堅実に持続するポイント能が要求される。
C. 鋭い嗅覚でゲームの所在を的確に把握して、ポイント(認定)し、その間合いも適切でなければならない。
D. ポイント・スタイルは、力強くスマートなものが良いとされる。
E. 鳥猟犬、即ちポインティング・ドッグは、ゲームのボディ・セント(鳥臭)を求めて行動するのが本質的なものであるから、常に風向きを考慮に入れて、ゲームを捜索しなければならない。
F. ゲームの捜索中、至近距離で鳥臭を直接完治した場合は、ダイレクト、或いはスナッピーにポイントする事が要求される。
G. 風の中に漂う鳥臭に触れた場合は、その場の状況に応じ、頭脳的に判断し、静かに、或いは、決断力良くスピーディーにゲームに対して寄り付き、ポイント(認定)する事。バード処理に於いては、早翔、または這わせる事があってはならない。
H. ゲームの足臭(残臭)に触れ、犬が感度を示しても、素早く否定する判断力が必要とされ、直ちに鼻を上げ、鳥臭を求めてゲームへの追求に移らなければならない。
I. 微臭に感度を示しても、これを良く吟味し、素早く肯定・否定の態度を明らかに示し、可能性を秘めたゲームへの追求行動に移らなければならない。
J. ゲームに這われた場合には、直ちにリロケートし、所在を素早く突き止めなければならない。
K. 度重なるリロケートの末、ゲームを飛翔させたり、這い抜かれる犬は嗅覚に疑問のあるものか、判断力・決断力に欠けるものである。状況にもよるが、短い二乃至三回程度のリロケートで素早く完全に突き止めた場合は、一連のバード・ワークを見做し、ダイレクトやスナッピーなポイント(認定)と同様、高く評価すべきである。
平成20年2月29日
審査顧問 浅田 義幸