※競技コースについて
(1) トライアルの地域を考える場合、先ず、第一に考慮すべき事は、計画的に一様のコースを選定する事である。
(2) 30分の競技について、コースの長さは普通1~1,5マイルから2マイル位になる様に、その土地の面積に応じて平均されて居るべきで犬が獲物を捜し出せる範囲でなければならない。
(3) コースの地図を作る際は、馬を利用する事と2頭の猟犬を使用する事が必要である。この様にすれば、鳥はどのコースでも得られる事が確実だし、距離や時間が出発点から最後までフルに使う事が出来る。
(4) コースは出来るだけ直線にすべきで、少なくとも困難な曲折とか角がない様にすべきである。
曲折がある場所ではハンドラーが犬に拍車をかけたりするに充分な時間と場所が必要である。
(5) ハンドラーが犬に方向を指示出来る様に、コースに旗を立って置くのは賢明である。これは特に山と山とに挟まれた谷間(山峡)等の場合にあてはまる事である。
(6) 朝のコースが出発点から誘導され犬を含んだトライアル参加者が午後になって後もどりする様な場所では、昨日の朝犬達が高い出会い数を示した近くの場所で昼食を与えるのが良い。
クラブの者が昼食を取る際、地方の教会の婦人会と連絡をとる事も出来る。
(7) 今は多くの有名なワンコース・トライアルがあるが、英国セタークラブがメットフォードで行った行事が、今迄で最も著明なものであり、他のクラブも又これと同様の面積のコースを採用して居る様である。
ワンコーストライアルの利点は、全ての犬が同じ地域を走る事になるので、その捜鳥能力は正確に同じ状態に見なして良いと思われる点である。
(8) 多くの人々の意見では、このワンコース・トライアルに対する人気の主な理由は、ゲームに好都合な場所を集めたり、観覧席に居て犬のランニングを見たりする事が出来ると言う事である。従って私の考えでは、犬に充分な試練を与えるのみでなく、猟鳥の居場所が観客に良く見える所に位置されて居る様工夫しなければいけない。この様な観客の為の席は小山の頂上等に位置され、肉体的ユネルギーを全然費やさないで、スリルのあるレースが眺められる様にすべきである。
(9) コースに放し飼いにされた猟鳥の供給、又は鳥の居場所はトライアルを続けるのに充分な程度に考慮しなければならない。
ワンコーストライアルを援助して居る幾つかのクラブでは計画を練るのに必要な地形上の地図を持って居るし、多様なコースをもつトライアルを維持して居るクラブは完全な地域の地図を持って居る。
(10) 良いトライアル・コースを確保して居るクラブでは、その土地の借地契約を手に入れて居るし、必要ならば猟鳥を補給して居る。これは、その土地の猟鳥の繁殖を援助したり、貯えたりして行われるが、同様に鳥や動物の飼育に必要な植物を植えたりする事により行われて居る。
(11)家の近くにトライアル場を作る事も非常に良い事である。若し適当な場所がある場合、公共心のある、又スポーツへの理解のある鳥猟犬愛好家なら、その地域にトライアルの為の立派な競技場を作るのに一役買うべきである。また、観客達もこの戸外の陽気な雰囲気を健康なリクレーションとして楽しむべき事である。
※競技場の発達
トライアルを行うのに申し分無い土地の問題が戦後注目をあびて来て居る。
ワンコースの行事を後援する団体は最適な状態でトライアルの目的を達せられる様役に立つ土地の発展に力を尽して来て居る。又その様な土地の長期間の借用権を持つか、又は所有権を持つ様努力して居る。
(英国セター協会)英セター協会の様に協会自身のトライアル場を所有して居るものもある。
アメリカのアマチュア・トライアル・クラブは150以上のトライアル協会の主軸であるが、その協会の会員クラブのみでなく、全てのトライアル団体や、又自然の状態で獲物を保護し、トライアルを行うのに役立つ様な土地を確立するアメリカ猟物保護局の活動に対して最大級の援助を与えて居る。
ニュージャージー州のマウント・ホーリーのハロルド・ロングドルフ博士は猟鳥を殖やし、トライアルの目的に役立つ隠れ場を作る仕事の先頭に立った人である。
ミズリー州のガラテインのクラークダイナアブル氏はアマチュア協会の理事であるが、永久のトライアル場を設立する様に熱心な努力を続けて居る。
我々はU.S.Fishや野生動物事業の創設者で野生生物協会の会長イラ ガブリエルスン博士にトライアル場の発展に関する事を書いて貰ったが、彼の言おうとして居る事は興味深く又価値がある。
「このスポーツに関係する人なら獲物が十分あり、色々なコースに分布して居る事がどのトライアルをも成功させる為の根本条件である事を知って居る。そして全体の土地に同じ様に猟鳥を分布させ供給しなければならない。
トライアル場を設立する為に、後援団体は猟鳥が好む様な状況を作る様あらゆる方法をとり、最大量の猟島を保てる様努力しなければならない。
ウズラ猟犬が走る場所は本質的には耕作地を使用するので、ウズラを充分に分布させると共に普通の飼育の点も考えなければならない。
トライアル場を改良する全ての計画の基盤は土地保護事業協会の規則の中に見出す事が出来る。
土地保護協会は農業と調和する野生生物の生存を認めて居る。或る地域が「野生生物の地域」と指定され、これ等の地域は主要な収穫と共に野生生物の産出に最も適したものであると考えられて居る。
土地保護協会の規則に含まれては無いが、慣習とされるものの一つに耕作地がトライアルに使用され、その結果作物の収穫が無かった場合、新しく作物を植えるために必要なものを農家は受けるべきである。
保護地外のトライアル場でも基本的な仕事として土地を保護するために特別な事がなされるべきである。
既に住みついて居る鳥の群に対しても改良対策が必要である。十分な食べものを与え適切な隠れ場や、自然の敵から逃れる様な状態にして置かなければならない。
特に新しい鳥の群に対しては、自然の敵から逃げる為に薮に覆われた渓谷や木の生い繁って居る小川等や周囲に密林が多くあり又、クワ、野生スモモ等の食べ物のある土地を用意しなくてはならない。松類の茂みは冬の隠れ場として役立つ。又黒イチゴ、キイチゴ、野生のバラも自然の食物となり隠れ場となる。
春・夏・秋にはウズラの食物は雑草の種とか、昆虫、野生の実等沢山あるが、初春や冬には人工的な飼養が必要である。
必要な土地や食糧が提供され供給されれば、ウズラは保護され、又他の土地からやって来て自然に繁殖し改良された環境の中でどんどん増えていく冬の塒となる場所の改良はトライアル場に於けるキジの数を増すのに大変重要な事である。冬の塒として低い木々が密に生えた沼地が最適である。
冬の厳しい寒さの時期(厳寒期)にはキジは塒の近くに居る様であるから、その近くに食べもの畑や、冬には食糧を与える場所を用意しなければならない。
キジの為には、安全な巣を提供する様あらゆる努力がなされなければならないが、キジは干し草や小さい穀物畑を巣として好むので、多くの巣は作物の収穫の時穀物と一緒に取り去られ、壊されてしまう。干し草のうねや穀物畑の辺の方を残して置く事は巣を保護するのに有益である。
若いキジの群れは普通成長する迄は孵化した場所に留まって居るものである。
トライアル場が何の季節にも役立つ隠れ場や十分な食糧を与えるのに十分な状態になった時猟鳥を最大限の数に増やす為に繁殖用のキジが放される。
孵化してから12~16週目の鳥はこの目的に最も適して居る。
初秋に放されたものは普通最も成功率が高い。
又約10羽位宛小さな群に上手に分布する様に放さなければならない。これ等の若い鳥は土地の状態が適して居るならばトライアル用として充分役立つ事が出来る。
一度捕獲されてから放されたキジは、他の高地のウズラや種類の違う猟鳥程土地になじまないので、成長したキジを競技のために猟場に放す事もあるが、これは鳥の選択さえ上手くゆけば大体成功する。
今一つの問題として土地を改良し満足出来る様な競技場を作る為の費用の点がある。
トライアルに使用する為に借りた土地の代金は耕作者や地主に払い、絶対に借金をしてはいけない。
猟鳥の為の土地を改良するのに根本的に必要なものの90%が土地保護協会によって擁護され、近代農耕法の中に含まれて居る事を考えると、残りの比較的少ない部分であるウズラやキジの様な高地猟鳥が繁殖出来る様な土地にする為に、トライアル団体が団体自身の費用でしなければならない。