mentawai boat→trip 2009 chapter 15 モンスター
1月22日
朝起きると雲は残っていたが昨日の強風も落ち着き静かになっていた。
今日はどうするのかなと思いながらコーヒーを入れて飲む。みんなも起きていて朝ごはんを食べていた。
そういえば昨日の夜から右腕が痛い。腕を回しながらほぐしていると気づいた。昨日の手術台でフェイスに何度も手を入れたせいだということに気づいた。
昨日は本当濃いサーフDAYだったなと思いながらデッキへ。たしか昨日の強風で何か、バスタオルとか飛ばされてないか確認しに行った。
自分の荷物を確認していると、「あれ俺のボードが無い。」といっぺいくん。ひとつひとつ荷物を確認してもいっぺいくんの板が無い。リーシュで鉄柱にくっつけておいたのだけど風ではずれたらしい。
それを知ったみんなシーンとなる。デディを呼んで説明し後日近くの島に流れ着いていないか聞き込みを
することに。デディも船のオーナーとして責任を感じたのか何度も謝っていた。
このトリップのために買った十数万円する板が、乗ってからそこまで経っていないのに消えてしまって本当についていない、いっぺいくん。でもいっぺいくんはその後気持ちを切り替えて落ち込まずにすぐにいつものいっぺいくんに戻っていた。その後みんなの前でそのことを愚痴らず、残った板でサーフィンしてたいっぺいくん。
俺だったらけっこうひきずるよなぁと思ってしまうけど、ビックリするくらいいっぺいくんはポジティブというかネガティブのかけらもない性格。
たかさんが風向きを考えてまたレスラーオージーと遭遇したところに行くことに。
あそこのレフトはすでに2回行ってるからあまりワクワクしなかったけど、できるだけ最善のポイントをたかさんは考えているのだからそこにいってまた練習、練習と思いながら板をリペアしたり、音楽を聞いたりしてた。
そのうち着いて波はどんなんかなぁ~とキョロキョロ。船はいつものレフトではなく、その近くにあるもうひとつのライトのポイントのそばに止まっていた。
ここは本当にポイントかよ!?って思うくらい今まで通るたびにまともな波を見たことがなかったので全然期待せずにいたのだけど、セットなどチェックしてたらたまにバレルになっているようだった。案外できそうだ。でも離れてみてるので目測肩くらいの小さなバレルでしかも短そうな感じだった。
いつも隣のレフトでばっかりやってたからせっかくだし違うポイントでやろうと、思いながら準備をすることに。しかもここでもリーフブーツは必要だった。
ワックスを塗りながら波をよくみていると続けて結構いい波がきていて、しかもバレルの数も少なくないし全然良さそうだなという風に見方が変わってきていてだんだん早く入りたいと気持ちが焦ってきた。
みんなも波がいいことに気づいてどんどんポイントに向かう。
サイズは思っていたより大きくて肩、頭 セット頭半くらいだった。期待していなかったからか余計に楽しくてしょうがない俺。
みんなもいい波だね~とご機嫌でサーフィン。
ここは手術台よりは短いけど力強くて綺麗なバレルだった。昨日の成果だといわんばかりに突っ込む俺。
でもこれまたうまく乗れない。3歩進んで2歩下がるじゃないけどなんだかうまくいかない。
そのうちでんぐりがえし状態でワイプアウト。
着ていたロングタッパーが波の勢いで捲くられて水中で裸状態に。でも両腕の手首のところで止まっていて手が思うように動かせない。ウエットって普通浮力が多少あって浮きやすくなるのだけど今は俺にとっては手錠状態。ただはずすとウエットは流され岸に取りにいかなきゃいけないのでそれもヤダ。
そんなこと考えてるうちに息が苦しくなってきた。身動きのとりづらい体は浮きにくく本格的にやばくなってきた。これこのまま次のでかい波がきて息が吸えずに下に沈められたら俺終わりだなぁ~と気弱になってきたときに上を向いた顔が一瞬海面から出た。
そのとき俺はまさにメダカみたいに口だけを水面に出してパクッと開けてふっと息を吸い込んだ。 したらまた波がきて下にドーンと沈められる。
本当間一髪だったなぁ、と思いながら水中で冷静に両手首から片方ずつウエットをはずし口にくわえて浮き上がり波のこないほうにパドルした。ピークに戻ると「あれひでくんなんで裸なの?」と聞かれ
たった今起きた九死に一生スペシャルを話すとみんなが笑う。俺も一緒になって笑う。
やばかったあの状況も10分後には笑いのネタになる。
それでいい、俺はここに死ぬために来てるんじゃない、笑いにきてるんだから。
みんなでその後もやっているとアイツはやってきた。
なんの前触れも無く。
いままで割れていたセットのそのほんの少し沖だろうか
そこにある海が引っ張られるような感じで奥にもっていかれ
そこからその水の塊が大きな怪物の口となってがっぽりと開き
そしてその大きな口をガブーーーッ!!と凄い勢いで閉じていた。
それが2,3回と続いた。
一同唖然。 何だ今の??
あんなエグいバレル生で見たの初めてだった。
手術台とは違う、去年行ったニアスとも違う、オーストラリアのグリーンマウントでのパーフェクトバレルとも違う・・・
ヤツはモンスターだった。
そしてすぐ思い出した。世界中のバレルのなかでも有名で命を落としてきた者も少なくないほど危険なバレル波。タヒチのチョポーを。
チョポーはレフトの波で目の前のモンスターはライトでそれよりも全然距離は短くもっと小さいのだけどあのDVDでみた波の底からの巻いてくるエグレかたに凄く似ていた。 こんな波が目の前で割れること事体、衝撃的だった。それは今の自分のレベルでは危なすぎて挑戦すらできるものじゃなかった。モンスターが去った後はまたさっきと同じような感じの綺麗なバレルに戻っていた。 その後もあいつはだいぶ時間の経った忘れた頃にやってきてはえぐれた大きな口を開けていた。1度タカツグがインサイドにいるときにそのモンスターがやってきて5発くらい炸裂して巨大な白波をつくりタカツグを有無も言わせずに岸まで引きずって行ったらしい。なかなか沖に戻って来れないでいた。
ボートトリップをするうえでひとつ意識しておかなければならない事がある。それは一人の大怪我がみんなに迷惑をかけるということ。サーフィンをする時は自分自身のレベルと波のレベルを考え自分の限界を少しづつプッシュしていくことで新しい感覚を手に入れ、次のステップに行くことができる。でも相手は自然、自分のレベルを大きく超えたチャレンジは時に死やそれに近い事故につながりやすい。もしボートトリップでそうなった場合、近くに病院などないのだから状況によっては緊急用ヘリコプターで迎えに来てもらったり、スピードボートで迎えにきてもらわなければならない。みんなに心配をかけるどころかせっかくお金と時間を費やしてきた大事なサーフィンをする時間を奪うことになってしまう。そのことを理解したうえでボートトリップに行かなければならないし、今回このモンスターに手を出さなかったのは正解だったといえるし、正直手を出すという選択肢が頭になかった。
男塾だけが残りサーフィンしていると、あいちゃんが興奮状態でやってきて「たかさんがGT釣ったんやで~しかもめっちゃでかいヤツ~~~」
GTってあのこないだのカジキと並ぶくらい滅多に釣れないレアな魚のはず。このポイントにもいたんだ、と思いながらみんなもへぇそっかぁといったそこまで大きくない反応。GTがいまいちよくわかっていない。
昼飯にサライナへ戻るとGTが逆さ吊りにされていた。
「でかっ!!!!!!!」



あいちゃんが興奮してた理由がわかった。こんな大物がそこらへんで泳いでいるなんてちょっと怖くなるくらいの1メートルはある大物。
よくこれを細い竿と糸で引き寄せられるなぁと感心。釣った時の達成感と興奮は大変なものだったろう。俺は飯を食べてすぐ入ることに。船の後ろで船長がさきほどのGTの解体ショーをはじめていた。

船長は慣れた手つきで決して料理人が使う刺身包丁とは言えないナイフで綺麗にGTをさばいていく。
今夜の晩御飯が待ち遠しくなった。
みんな「もうはいるの?よくやるね~」と言っているけど
俺は「もちろんっ」と答えてさっさと支度。
さっき一度もリーフに足つけなかったしもうこのまま帰国までずっとブーツ履いてやるのは嫌だと思い
覚悟を決めてついに裸足に。やっと波乗りで裸足になれた開放感はテンデーだった。
いっぺいくんは写真とってあげるよ~といって一緒にディンギーに乗り込んだ。
みんなが飯を食べてる間たかさんとデディが入っていたので3人で。デディがすぐあがり俺とたかさんだけに。
「重要なのは波のセレクトですよ」 この時にたかさんが教えてくれたのだけど、ちゃんと聞いていなかった俺、後日再度教えてくれたたかさんからの教え
以下
バレルメイクのコツはウェーブセレクトも勿論大切だけどポジションキープの方がもっと大事、ポジションキープに重要なのは集中力と経験でしょう。上手い人に成れば成る程、筋力を使ってないし瞑想状態級にリラックス出来れば、より良いバレルメイク出来ますよ。 極を極め続ける 生死を分ける波の極の部分で一体となる事が真髄でバレルメイクは悟りの世界に繋がっており、奥が深いです。 人生一生修行ですね。
インドネシア中を旅し、スマトラに住み、志を持ち自分自身を貫くたかさん。その中で余計なものに目もくれない明確な価値観をもち波との調和、技を磨いてきたからこそ言えるのだと思う。
たかさん
今は俺とたかさんだけ。
乗れるんだけど小さそうなのとかバレルにならなそうなのはスルー。こんな贅沢なスルーはもったいないと思いながら。そのうちにしっかりと選んだ波でバレルイン。離れたところでいっぺいくんが見ててくれたのがわかってプルアウトしたときに思わず飛び跳ねて叫んだ。バレルに入れたことより見ていてくれたことが嬉しくて。自分がいいサーフィンしたのを仲間が見てくれて「今の見たよっ!」って言ってくれるのは、黙々と一人でサーフィンしたときにたまたま技がうまくきまった時やバレルをメイクした時の自己満足と違って、また格別な嬉しさがある。
しかもいっぺいくんが写真じゃなくて、動画で録ってくれていた。本当感謝。
たかさんがカメラマンになるためサライナに戻りいっぺいくんも船にサーフボードを取りに行き、みんながはいってきた。
たかつぐ
いっぺいくん
あいちゃん
しのさん
しばらくみんなで楽しんでるとあいちゃんがサライナに戻ったと思ったらディンギーに引っ張られてトウイン状態でやってきた。はじめてやったというあいちゃんバランス感覚抜群。
ただただ波に執着する俺とは対照的に、波にのりつつもいろんな楽しみ方を探し、時間をいろんな形で満喫するあいちゃんにはこの旅で何度も刺激を受けた。
俺は一旦サライナに戻り喉を潤してまたすぐにラインナップへ。
日が落ち始め、最終的に俺とたかつぐだけに。俺が乗ってから、またピークに戻ろうとしてる時にたかつぐが乗っていった。それを見ながら顔をまた前へ向けると。久しぶりのモンスターが!!!俺の場所ではモンスターに完璧に食べられてしまう位置にいたので左、左へと逃げるように鬼パドル。
4,5発はきていた。本当おそろしいヤツだった。その時の一匹をたかさんが望遠で撮っていた。
飯になりたかさんのGTゲットの時の話を聞いて
盛り上がる。
そしてもちろん晩御飯は~~~
GTでしょ~。
刺身に巻物。


さっきまで泳いでいたので凄く新鮮でおいしかった。今日もテンデ~な夜にビンタンで乾杯しながら笑いが止まらない。ビンタン帳を見るとあいちゃん、しのさんがぶっちぎってて男塾は2人に追いつけないほど差が開いていた。
おっさん2人組にわからされてる。
でも気づけばこんなテンデーな夜も今夜を入れてあと4日で終わりだ。
1日1日が濃密で、様々なことが起きて長く感じていた。そのせいかずっと前からサライナにみんなでこうして生活しているような気持ちになるし、ずっとこうしていたいこのまま世界中を船で旅したい。たかさんや、あいちゃんや、しのさんともこないだ会ったばかりとは思えないし。
あと何日という話になり、みんなもそれを意識してちょっとテンションが下がる。
皆の意識の中で旅の終わりのカウントダウンが始まった夜だった。
まだ終わっちゃいないのに本当いいトリップになったなぁと改めて船の上での時間をかみしめながら夜は過ぎていった。
朝起きると雲は残っていたが昨日の強風も落ち着き静かになっていた。
今日はどうするのかなと思いながらコーヒーを入れて飲む。みんなも起きていて朝ごはんを食べていた。
そういえば昨日の夜から右腕が痛い。腕を回しながらほぐしていると気づいた。昨日の手術台でフェイスに何度も手を入れたせいだということに気づいた。
昨日は本当濃いサーフDAYだったなと思いながらデッキへ。たしか昨日の強風で何か、バスタオルとか飛ばされてないか確認しに行った。
自分の荷物を確認していると、「あれ俺のボードが無い。」といっぺいくん。ひとつひとつ荷物を確認してもいっぺいくんの板が無い。リーシュで鉄柱にくっつけておいたのだけど風ではずれたらしい。
それを知ったみんなシーンとなる。デディを呼んで説明し後日近くの島に流れ着いていないか聞き込みを
することに。デディも船のオーナーとして責任を感じたのか何度も謝っていた。
このトリップのために買った十数万円する板が、乗ってからそこまで経っていないのに消えてしまって本当についていない、いっぺいくん。でもいっぺいくんはその後気持ちを切り替えて落ち込まずにすぐにいつものいっぺいくんに戻っていた。その後みんなの前でそのことを愚痴らず、残った板でサーフィンしてたいっぺいくん。
俺だったらけっこうひきずるよなぁと思ってしまうけど、ビックリするくらいいっぺいくんはポジティブというかネガティブのかけらもない性格。
たかさんが風向きを考えてまたレスラーオージーと遭遇したところに行くことに。
あそこのレフトはすでに2回行ってるからあまりワクワクしなかったけど、できるだけ最善のポイントをたかさんは考えているのだからそこにいってまた練習、練習と思いながら板をリペアしたり、音楽を聞いたりしてた。
そのうち着いて波はどんなんかなぁ~とキョロキョロ。船はいつものレフトではなく、その近くにあるもうひとつのライトのポイントのそばに止まっていた。
ここは本当にポイントかよ!?って思うくらい今まで通るたびにまともな波を見たことがなかったので全然期待せずにいたのだけど、セットなどチェックしてたらたまにバレルになっているようだった。案外できそうだ。でも離れてみてるので目測肩くらいの小さなバレルでしかも短そうな感じだった。
いつも隣のレフトでばっかりやってたからせっかくだし違うポイントでやろうと、思いながら準備をすることに。しかもここでもリーフブーツは必要だった。
ワックスを塗りながら波をよくみていると続けて結構いい波がきていて、しかもバレルの数も少なくないし全然良さそうだなという風に見方が変わってきていてだんだん早く入りたいと気持ちが焦ってきた。
みんなも波がいいことに気づいてどんどんポイントに向かう。
サイズは思っていたより大きくて肩、頭 セット頭半くらいだった。期待していなかったからか余計に楽しくてしょうがない俺。
みんなもいい波だね~とご機嫌でサーフィン。
ここは手術台よりは短いけど力強くて綺麗なバレルだった。昨日の成果だといわんばかりに突っ込む俺。
でもこれまたうまく乗れない。3歩進んで2歩下がるじゃないけどなんだかうまくいかない。
そのうちでんぐりがえし状態でワイプアウト。
着ていたロングタッパーが波の勢いで捲くられて水中で裸状態に。でも両腕の手首のところで止まっていて手が思うように動かせない。ウエットって普通浮力が多少あって浮きやすくなるのだけど今は俺にとっては手錠状態。ただはずすとウエットは流され岸に取りにいかなきゃいけないのでそれもヤダ。
そんなこと考えてるうちに息が苦しくなってきた。身動きのとりづらい体は浮きにくく本格的にやばくなってきた。これこのまま次のでかい波がきて息が吸えずに下に沈められたら俺終わりだなぁ~と気弱になってきたときに上を向いた顔が一瞬海面から出た。
そのとき俺はまさにメダカみたいに口だけを水面に出してパクッと開けてふっと息を吸い込んだ。 したらまた波がきて下にドーンと沈められる。
本当間一髪だったなぁ、と思いながら水中で冷静に両手首から片方ずつウエットをはずし口にくわえて浮き上がり波のこないほうにパドルした。ピークに戻ると「あれひでくんなんで裸なの?」と聞かれ
たった今起きた九死に一生スペシャルを話すとみんなが笑う。俺も一緒になって笑う。
やばかったあの状況も10分後には笑いのネタになる。
それでいい、俺はここに死ぬために来てるんじゃない、笑いにきてるんだから。
みんなでその後もやっているとアイツはやってきた。
なんの前触れも無く。
いままで割れていたセットのそのほんの少し沖だろうか
そこにある海が引っ張られるような感じで奥にもっていかれ
そこからその水の塊が大きな怪物の口となってがっぽりと開き
そしてその大きな口をガブーーーッ!!と凄い勢いで閉じていた。
それが2,3回と続いた。
一同唖然。 何だ今の??
あんなエグいバレル生で見たの初めてだった。
手術台とは違う、去年行ったニアスとも違う、オーストラリアのグリーンマウントでのパーフェクトバレルとも違う・・・
ヤツはモンスターだった。
そしてすぐ思い出した。世界中のバレルのなかでも有名で命を落としてきた者も少なくないほど危険なバレル波。タヒチのチョポーを。
チョポーはレフトの波で目の前のモンスターはライトでそれよりも全然距離は短くもっと小さいのだけどあのDVDでみた波の底からの巻いてくるエグレかたに凄く似ていた。 こんな波が目の前で割れること事体、衝撃的だった。それは今の自分のレベルでは危なすぎて挑戦すらできるものじゃなかった。モンスターが去った後はまたさっきと同じような感じの綺麗なバレルに戻っていた。 その後もあいつはだいぶ時間の経った忘れた頃にやってきてはえぐれた大きな口を開けていた。1度タカツグがインサイドにいるときにそのモンスターがやってきて5発くらい炸裂して巨大な白波をつくりタカツグを有無も言わせずに岸まで引きずって行ったらしい。なかなか沖に戻って来れないでいた。
ボートトリップをするうえでひとつ意識しておかなければならない事がある。それは一人の大怪我がみんなに迷惑をかけるということ。サーフィンをする時は自分自身のレベルと波のレベルを考え自分の限界を少しづつプッシュしていくことで新しい感覚を手に入れ、次のステップに行くことができる。でも相手は自然、自分のレベルを大きく超えたチャレンジは時に死やそれに近い事故につながりやすい。もしボートトリップでそうなった場合、近くに病院などないのだから状況によっては緊急用ヘリコプターで迎えに来てもらったり、スピードボートで迎えにきてもらわなければならない。みんなに心配をかけるどころかせっかくお金と時間を費やしてきた大事なサーフィンをする時間を奪うことになってしまう。そのことを理解したうえでボートトリップに行かなければならないし、今回このモンスターに手を出さなかったのは正解だったといえるし、正直手を出すという選択肢が頭になかった。
男塾だけが残りサーフィンしていると、あいちゃんが興奮状態でやってきて「たかさんがGT釣ったんやで~しかもめっちゃでかいヤツ~~~」
GTってあのこないだのカジキと並ぶくらい滅多に釣れないレアな魚のはず。このポイントにもいたんだ、と思いながらみんなもへぇそっかぁといったそこまで大きくない反応。GTがいまいちよくわかっていない。
昼飯にサライナへ戻るとGTが逆さ吊りにされていた。
「でかっ!!!!!!!」



あいちゃんが興奮してた理由がわかった。こんな大物がそこらへんで泳いでいるなんてちょっと怖くなるくらいの1メートルはある大物。
よくこれを細い竿と糸で引き寄せられるなぁと感心。釣った時の達成感と興奮は大変なものだったろう。俺は飯を食べてすぐ入ることに。船の後ろで船長がさきほどのGTの解体ショーをはじめていた。

船長は慣れた手つきで決して料理人が使う刺身包丁とは言えないナイフで綺麗にGTをさばいていく。
今夜の晩御飯が待ち遠しくなった。
みんな「もうはいるの?よくやるね~」と言っているけど
俺は「もちろんっ」と答えてさっさと支度。
さっき一度もリーフに足つけなかったしもうこのまま帰国までずっとブーツ履いてやるのは嫌だと思い
覚悟を決めてついに裸足に。やっと波乗りで裸足になれた開放感はテンデーだった。
いっぺいくんは写真とってあげるよ~といって一緒にディンギーに乗り込んだ。
みんなが飯を食べてる間たかさんとデディが入っていたので3人で。デディがすぐあがり俺とたかさんだけに。
「重要なのは波のセレクトですよ」 この時にたかさんが教えてくれたのだけど、ちゃんと聞いていなかった俺、後日再度教えてくれたたかさんからの教え
以下
バレルメイクのコツはウェーブセレクトも勿論大切だけどポジションキープの方がもっと大事、ポジションキープに重要なのは集中力と経験でしょう。上手い人に成れば成る程、筋力を使ってないし瞑想状態級にリラックス出来れば、より良いバレルメイク出来ますよ。 極を極め続ける 生死を分ける波の極の部分で一体となる事が真髄でバレルメイクは悟りの世界に繋がっており、奥が深いです。 人生一生修行ですね。
インドネシア中を旅し、スマトラに住み、志を持ち自分自身を貫くたかさん。その中で余計なものに目もくれない明確な価値観をもち波との調和、技を磨いてきたからこそ言えるのだと思う。
たかさん
今は俺とたかさんだけ。
乗れるんだけど小さそうなのとかバレルにならなそうなのはスルー。こんな贅沢なスルーはもったいないと思いながら。そのうちにしっかりと選んだ波でバレルイン。離れたところでいっぺいくんが見ててくれたのがわかってプルアウトしたときに思わず飛び跳ねて叫んだ。バレルに入れたことより見ていてくれたことが嬉しくて。自分がいいサーフィンしたのを仲間が見てくれて「今の見たよっ!」って言ってくれるのは、黙々と一人でサーフィンしたときにたまたま技がうまくきまった時やバレルをメイクした時の自己満足と違って、また格別な嬉しさがある。
しかもいっぺいくんが写真じゃなくて、動画で録ってくれていた。本当感謝。
たかさんがカメラマンになるためサライナに戻りいっぺいくんも船にサーフボードを取りに行き、みんながはいってきた。
たかつぐ
いっぺいくん
あいちゃん
しのさん
しばらくみんなで楽しんでるとあいちゃんがサライナに戻ったと思ったらディンギーに引っ張られてトウイン状態でやってきた。はじめてやったというあいちゃんバランス感覚抜群。
ただただ波に執着する俺とは対照的に、波にのりつつもいろんな楽しみ方を探し、時間をいろんな形で満喫するあいちゃんにはこの旅で何度も刺激を受けた。
俺は一旦サライナに戻り喉を潤してまたすぐにラインナップへ。
日が落ち始め、最終的に俺とたかつぐだけに。俺が乗ってから、またピークに戻ろうとしてる時にたかつぐが乗っていった。それを見ながら顔をまた前へ向けると。久しぶりのモンスターが!!!俺の場所ではモンスターに完璧に食べられてしまう位置にいたので左、左へと逃げるように鬼パドル。
4,5発はきていた。本当おそろしいヤツだった。その時の一匹をたかさんが望遠で撮っていた。
飯になりたかさんのGTゲットの時の話を聞いて
盛り上がる。
そしてもちろん晩御飯は~~~
GTでしょ~。
刺身に巻物。


さっきまで泳いでいたので凄く新鮮でおいしかった。今日もテンデ~な夜にビンタンで乾杯しながら笑いが止まらない。ビンタン帳を見るとあいちゃん、しのさんがぶっちぎってて男塾は2人に追いつけないほど差が開いていた。
おっさん2人組にわからされてる。
でも気づけばこんなテンデーな夜も今夜を入れてあと4日で終わりだ。
1日1日が濃密で、様々なことが起きて長く感じていた。そのせいかずっと前からサライナにみんなでこうして生活しているような気持ちになるし、ずっとこうしていたいこのまま世界中を船で旅したい。たかさんや、あいちゃんや、しのさんともこないだ会ったばかりとは思えないし。
あと何日という話になり、みんなもそれを意識してちょっとテンションが下がる。
皆の意識の中で旅の終わりのカウントダウンが始まった夜だった。
まだ終わっちゃいないのに本当いいトリップになったなぁと改めて船の上での時間をかみしめながら夜は過ぎていった。













