中学受験をする目的の一つに、
「できるだけ偏差値の高い中高一貫校に通って、大学受験を有利にしたい」
と、いう考え方があります。
実際、このように考えて中学受験した人は少なくありません。
そして、中学高校時代の6年間を超難関大学に入学するためだけに全力を注ぐ中高生も少なくないということです。
その良し悪しを語るのは簡単なことではありません。
「そんなの絶対に良くない!」
と、いう考え方の親御さんもいれば、
「そんなの当たり前でしょう!」
そう断言する親御さんもいます。
では、受験生本人はどうか?
実は、
受験生本人も、
「そう思います」
と、答える人は少なくありません。
とても正直な意見だと思います。
どうしてそう思うのか?
を、尋ねると、大抵、
「将来やりたいことがわからないから」
「だから今できることは勉強しかないから」
そういう答えが帰ってきたことが何度かあります。
今の中学生はなんて素直で正直なんだろうと思います。
私の時代であれば、少なくとも、
「やりたいことがない」
とか、
「勉強くらいしかやりたいことがない」
なんて思っていても、それは格好の悪いこととされ、本当はそうでも無理やりにでも、
「将来やりたいこと」「将来なりたい職業」
を、持っていないとダメな人間のように扱われました。
だから、卒業文集にも、
「将来の夢」
と、いう項目があったりしたのだと思います。
あそこに、
「何もない」
と、答えた生徒はおそらく一人もいないでしょう。
「何もない。だから勉強を一生懸命頑張る」
と、言える受験生は、すごいと思います。
「優秀な大学に入るために中高生活を頑張る」
と、言える中高生は、すごいと思います。
私は映画監督になりたかった。
「映画監督になりたいのだから、学校の勉強なんてやる必要がない。だって会社員になりたいわけじゃないし、資格が欲しいわけじゃない。大学を出ても意味がない。だから、映画の専門学校に行かせて欲しい」
そう親に頼んだことがありました。
そして、親に言われたことは、
「そんなことは大学を出てから考えろ!」
でした。現役高校生時代、全く勉強をしてなかった私は一浪して大学に入りますが、
大学受験をせずに役者の道を目指した友人は、地元の劇団員となり、俳優になりました。
その後、地元ラジオのパーソナリティを20年間以上勤め、劇団を主催し舞台俳優として活躍しています。
大学を卒業した私は、その頃には映画監督になる夢も忘れ就職。
会社も辞めてプロのライターになりました。
ちなみに、
「やりたいことがないから東大に入って官僚になる」
と、言って東大に入った中学の頃の同級生は、
官僚にはなりましたが、数年で辞めてプロのミュージシャンになりました。
東大卒の元官僚という肩書きは一切表には公表していません。
人生の先のことなんて誰にもわかりません。
でも一生懸命やった人には一生懸命やっただけの選択肢が待っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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