「せっかく頑張って合格したのにかわいそうだな〜」
日大問題を毎日ニュースで見るたびに、テンちゃんが仲の良い友達を思って言っている言葉です。
日大付属の中学校にテンちゃんと同じクラスの友達が二人行きました。
そのうちの一人の友達は本当に仲が良くて、友達が合格した時には一緒に大喜びしたので、なおさら日大問題は中学受験した中学生にも大きく影響しているのです。
中学校には全く関係ないのに、大学で起こった問題で中学生にまでショックが広がっています。
私の知人のお子さんは直接的な被害者です。
アメフト部ではありませんが、高校のあるスポーツの世界では有望な選手でした。
彼は、日大からスカウトされました。
高校の先生から、
「あの大学だけには行くな」
そう言われて、家族と相談して、日大に断りを入れました。
すると、他の関東の大学から受け入れられないと言われたそうです。
また、そう言われることは日大を断った時点で想定内だったそうです。
その生徒は、大学のチームに入ることを諦め、大学に通いながらクラブチームに入りました。
「日大に誘われた時点でそうなるのを覚悟していた」
その知人は言いました。
「あの大学は本当に怖いから」
では、これは日大だけの特別なことなのでしょうか?
名前は書けませんが、都内の付属中学もある、とある女子大では、私の仲の良い友人が職員をしていました。
友人は、自分の娘を付属中学に入れたいと思っていました。
付属中学は、そこそこ偏差値も高く、人気もあります。
しかし、友人が担当している学部内で次の教授を狙う勢力争いが起こり、友人は巻き込まれてしまい、ひどいパワハラを受けるようになってしまいました。
大学のパワハラ相談室に行っても、そこは名目だけで実質的な活動は何もしておらず、相談したことが全てパワハラしている相手に筒抜けでした。
つまり、パワハラ相談室の職員も含めてスパイ活動のようなことをしていたのです。
さらに、ひどいパワハラを受けることになった友人は、退職せざるを得なくなり、職を失いました。
大学を辞める時、上司からこう言われたそうです。
「訴えたりしたら、どこでも働けなくなりますよ」
友人は、文化について研究する部署にいましたが、その部署にいざ入って見ると、大事な文化財や資料は倉庫に放り込まれたまま埃まみれで、痛んだ資料を補修もしないまま放ったらかし。
予算は、教授の趣味に注ぎ込まれていました。
そのことを、職員誰もが知っていましたが、理事長と懇意にしている人物ということもあり、誰も何も意見を言えません。
そこを改革しようとした勢力争いに負けて、既存の勢力がそのままの体制を維持する結果となったのです。
その学校に通う生徒はもちろん、そのことを知りません。
知りませんが、その学部で学んでいるにも関わらず、その貴重な資料の存在も知らず、正しい資料の扱い方も教えてもらえないまま、これまで卒業して行った学生が不憫でならないと。また、文化財を保護する勉強をしていた生徒は、彼女から教わるまで、正しい文化財の扱い方を何一つ正確に教えてもらってなかったそうです。
「一体、大学は、その教授は何を教えていたのか?」
その友人はそう語っていました。
「大学は伏魔殿だよ。あの中で世界ができているから、間違いを誰も間違いだと思わない。腐った世界だから腐った心が蔓延している。そんなにひとたちが純真な生徒に教えているなんて・・・・・」
だからと言って、伏魔殿ばかりか?と、言えば、当然そんなことはなくて、むしろ良いことの方が多いに決まっている。
大学は聖域。
そう思いたいですが、実際はどうなのでしょう?
我が家では、大学附属を検討することは全くありませんでした。
塾の先生からは、
「慶応義塾中学も選択肢に入れてみたらどうでしょうか?テンちゃんと入試の傾向が合っていると思います」
それをきっかけに、早稲田実業学校中等部や明治大学附属明治中学校、そして、東京農大附属中学校なども資料を見たり、検討もしたりしましたが、
「興味ない」
テンちゃんは全く興味を示しません。
理由は、
「私は東京藝術大学か、東京工業大学に行きたいから」
そう言います。
「つまり、慶応大学や早稲田大学には行かないと」
「そう」
「なるほど、納得。じゃあ、大学附属は検討を候補から除外しよう」
そうなったのです。
「大学附属に行っても、大学受験をして国立大学に行く子もいるから、それはあまり関係ないよ」
そういうご意見ももちろんあるでしょう。
しかし、一般的には下からそのまま上に上がるパターンが多いのではないでしょうか。
早稲田実業から早稲田大学に入学した友人がいます。
彼は仕事の大変できる男で、人間的にもとても魅力的で人望も厚い。超一流企業に就職もして出世もしました。
かつて、早稲田実業高校出身の有名人を取材したことがあって、テリー伊藤さん、荒木大輔ヤクルト2軍監督、萩生田光一現自由民主党幹事長代行と大学附属中学についてお話を伺ったことがあります。
そこで、彼らの語った共通点は、
「絶対に信頼できる一生の仲間ができる。これは何者にも変えがたい宝です」
これは、とてもとても魅力的な言葉です。
ただ、よくない点ももちろんあります。
私の友人含め、4人が語った共通点は、
「全く勉強はしなかった。問題さえ起こさなければ、名門の早稲田大学に入れるんだから。そもそも2度と勉強したくないから実業に入ったんだから」(荒木大輔さんの場合は違いますね。失礼しました)
私の知人の20代の女性は、慶應義塾湘南中等部に入り、慶応大学までそのまま上がって、超一流企業に就職しました。
彼女は常々、こう言っています。
「中学受験より辛い思いをしたことは今まで一度もありません。それ以来、努力をした記憶もない。だけど、一流企業に就職できたし、ずっと楽勝な人生を送っています。出世?興味ないです。普通にしてたら、それなりに楽しいし。それもこれも親のおかげだと思っています」
私の甥っ子は、中央大学附属中学、高校に通い、大学は東北大学を受験しました。
しかし、不合格となり、一浪も考えましたが、現役で中央大学法学部に入学することを決めました。
「本当にそこに行きたかったの?」
そう聞きました。
「行きたくはなかったけど、ここも良い大学だから」
「でも、司法試験を受けるわけじゃないよね?」
「そうだけど、まあ、色々考えて・・・」
彼なりに一生懸命出した答えだから、それでいいのだと思います。
最後に、慶応中学から慶応高校に入り、一橋大学に入ったかなりイケメンでモテまくったであろう友人の話。
「どうして慶応大学にそのまま行かなかったの?」
「だって、周りは女と遊ぶことしか考えてなくて、バカばっかりでしたから。外に出ないと、自分はこのまま変わらないと思ったというのもあります」
結論!
ありか?なしか?
それはわかりません。
でも、テンちゃんには、親心として、2度と受験なんてさせたくないな〜。
と、いう思いと、
しっかりやりたいと思う専門性の高い大学にしっかり勉強して入ってもらって、もっと強い人間になってほしい。
と、いう思いが入り混じっている感じですかね〜。
そして、
テンちゃんも同級生も、共に学んだみんなが魅力的な人となり、一生の友になることを期待しています!!!