小学3年生の夏休みが終わり、

 

2学期になっても勉強が大嫌いなテンちゃんに、

 

なんとか勉強を好きになってもらいたい!

 

 

そのためにはどうすればいいのか?

 

 

そこで、夫婦で話し合った結果、

 

出た答えが、

 

プロに任せる

 

でした。

 

なんて、安直な・・・・。

 

 

でも、真面目に考えた結果なんです。

 

正直、わたしも奥さんも勉強はできた方なので、

 

小学生の算数、国語くらいは教えることができます。

 

 

できますが、

 

できるのは、

 

「勉強を教えること」

 

であって、

 

「勉強が楽しいということを教えること」

 

は、できないのです。

 

 

わたしの父は高校の古典の教師でした。

 

引退後、代々木ゼミナールの講師になり、

 

私立高校、専門学校の受験問題を作っていました。

 

 

いわば、受験のプロです。

 

わたしはそんな父に勉強を教えられることが、

 

大嫌いでした。

 

父が、解けると思っている問題をわたしが解けないと、

 

「なんでこんな簡単な問題ができんのか!」

 

と、言って怒鳴るのです。

 

それが怖くて怖くて仕方がなかった。

 

父が横にいるだけで、萎縮してしまって冷静ではいられなくなるのです。

 

 

中学校に上がった頃に、父もそのことを察してくれて、

 

一切、わたしの勉強に干渉しなくなりました。

 

そこからわたしの成績はグングン上がりました。

 

 

その時、わたしが気づいたことは、

 

 

 

たとえ親子であろうが、

相性が合わなければ、

一緒にやっていけない。

 

と、いうことでした。

 

 

 

 

わたしは奥さんに聞きました。

 

 

「僕が教えない方がいいと思うんだけど、どう思う?」

 

「そう思う」

 

「やっぱり」

 

「あなたはすぐに反応をみたがるけれど、

テンちゃんは考えるペースがとても遅いから、

あなたはすぐにイライラする。

その姿はあなたのお父さんにそっくり。

テンちゃんがそんなあなたの姿に萎縮する。

わたしもそう。

できないテンを見てるとイライラするの。

だから、わたしもダメ。

あの子は叱られると萎縮してしまう」

 

「じゃあ、やっぱりプロに任せた方がいいね」

 

「プロでも気合の入った感じのテンションが高い先生や、

叱る先生はやめた方がいいかも」

 

「そうだね」

 

 

それから、塾の見学に行きました。

 

 

地元の個人経営の塾に始まり、栄光ゼミナール、日能研、個別指導塾トーマスなどなど。

 

ただ、四谷大塚やサピックスには行きませんでした。

 

それは、その時点で中学受験を考えてなかったし、そんな有名塾に通うレベルに達していなかったから。

 

 

その結果、

 

テンちゃんが気に入ったのは、栄光ゼミナールとトーマスの二つ。

 

 

栄光ゼミナールが気に入った理由は、

 

「休まずにちゃんと通ったらポイントがたまって、プレゼントがもらえるんだって?」

 

「そうなの?で、授業はどうだった?」

 

「普通」

 

「わかりやすかった?」

 

「学校の先生よりはわかりやすかったよ」

 

「授業は楽しかった?」

 

「学校よりはね」

 

 

 

そして、トーマスが気に入った理由は、

 

 

「国語の先生がものすごく面白くて、わかりやすかった。楽しかった」

 

「算数は?」

 

「うーん・・・なんか・・・あまり楽しくなかった」

 

「どうして?」

 

「なんか先生が・・・、おじさんなんだけど、すごく咳をするというか、話しながらゴホゴホするから集中できなかった」

 

「1対1でそれはきついね」

 

「そうなんだよ。だから、栄光ゼミナールにする」

 

「わかった。その前にもう一回だけ先生を変えて、トーマスをもう一回受けてみる?」

 

「え?そんなことできるの?」

 

「できるよ。塾だもん」

 

「うん。変えてもらってもう一回受けてみる」

 

 

 

講師が教えるプロでも、

受験のプロでも、

有名講師でも、

相性が悪くては、成績は上がらない。

 

 

 

 

そして、塾に、

 

「できるだけ若くて、穏やかな感じの女性の先生がいいんですけど」

 

そうお願いして、もう一度体験してみました。

 

 

すると、テンちゃんの反応は、

 

「すごく楽しくてわかりやすかった。もっと勉強したいと思った」

 

 

 

 

そこで、

 

「じゃあ、栄光ゼミナールとトーマス、どっちにする?」

 

と、聞きます。

 

「栄光ゼミナールのプレゼントも魅力的なんだよな〜」

 

と、テンちゃん。

 

「テンちゃんは、なんのために塾に行きたいの?」

 

「勉強できるようになるため」

 

「どっちの塾だったら勉強できるようになれそう?」

 

「トーマス」

 

「ふーん。どっちにする?」

 

「トーマスにしようかな〜」

 

「自分で決めな」

 

「じゃあトーマスにする」

 

「よし、じゃあトーマスに決定だな。自分で決めたんだよ。頑張れる?」

 

「うん。頑張る!」

 

 

 

自分で決めた

 

 

その決定を、

 

 

パパとママが認めてくれた

 

 

それってすごい自信になるんですよ。

 

 

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。