白紙よ。
あなたにはなんでも書ける。

あなたと向き合い、
僕は考える。

これからあなたとどんな未来を描こうか。

少し考えては、筆を執る。
今ではそんなことはしないけれど。
触れるだけで、君は白にも黒にもなる。

そんな時代だ。

僕の思考は、指先から世界へ、放り投げられる。

そんな時代だ。

白紙よ、思えば僕はいつも君と向き合ってきた。

なにを書こうか。
どう書こうか。

誰かに見せるのも楽しかったけれど、
そんなことはどうでもよかった。
僕が誰よりも僕の読者で、
あなたの恋人で、
描かれた君の化粧に、
僕は見惚れたり、うなったりする。

なにより僕自身があなたに見たい景色を見るために、
僕はあなたと向き合う。

何度も何度も、向き合おう。

100の言葉を書いた。
1000の言葉を書いた。
同じようなことも書いた。
10000の言葉も書いた。
どれだけ書いたって飽きたらない。

なにをかいても自由だ。
どれだけかいても自由だ。
公園の砂場で何度も何度もお城を作っては壊すように、
何度も何度も君を汚しては破り捨ててきた。

白紙よ、君はまだ白い。
なにものでもなく、なんにでもなれる。
僕はずっと君を飾る言葉を考えている。

僕なりの言葉が
僕なりに連なり
僕なりのリズムで
僕なりに美しく、

あなたを飾れるなら、それでいいんだ。
こればっかりは、
自己満だ、自己中だ。
かまうものか。
誰にも譲れない、聖域なんだよ。
白紙よ。あなたのことなんだよ。