オアシス
口に出しはしないが“心のオアシス”がある。
45歳 サラリーマン 中堅管理職 の私にも…
毎朝 同じ時間に会社の近くのコンビニで出会う女性
化粧っ気のないナチュラルな感じに好感がもてる
おにぎりを選ぶ眼差しが真剣で愛らしい
そんな姿をパンを選ぶフリをして眺めるのが毎日の楽しみでもある
27,8才位だろうか一回り以上は離れている彼女が私の“心のオアシス”だ
勿論、私自身 既婚者である
大学時代の同級生の奥さんと高校生の娘1人で幸せな生活を送っている
ただ、平凡すぎてつまらない毎日の繰り返しだ
周りからしてみれば贅沢すぎるのかもしれない
いつもと変わらない退屈一日の仕事が終わり
退屈な家庭に戻るため 駅へと歩く
私の覇気のない目に“オアシス”の彼女が駅前ビルへ入る姿が見えた
走って追いかける私… なんだかストーカーのようだ…
彼女は独りでビルの地下にあるバーに入っていった
私は5分ほど時間をおいて店の中へ入った
カウンターの真ん中に彼女が独りで飲んでいる
待ち合わせではなさそうなので近くの席にさりげなく座る
すると彼女は私に気づいたのか
「あのぉ、いつもあそこのコンビニでパンを買っていますよね」
私は声をかけられた事に少々驚いたが わざとらしく
「あぁ、あなたも あのコンビニで
おにぎりとにらめっこしていますよね」
「ふふっ にらめっこですか?
ん…周りから見ると そう見えるのかなぁ」
「そう、真剣な顔してにらんでいますよ」
コンビニの話題でなんだか仲良くなれたようだ
「ここはよく来られるんですか?」
「い、いやぁ、、今日が初めてなんですよ(後をつけて来たなんて
いえません)あなたもここにはよく来るんですか?」
「私は… ここで去年の今日 元彼に振られたんですよ」