今日は死ぬのにもってこいの日 -26ページ目

常識への闘争

昨日はマーティン・ルーサ・キングJr牧師が
暗殺された日だ。

ガンジーから受け継がれた非暴力による闘争は、
過激な手段にも訴えるカリスマ・マルコムXの
台頭から始まった一派と分裂し、晩年は世論も
二分化して相容れない様相を呈していたものの、
彼の死後は伝説になっている。


と、突然思い出したことがある。

大学一年生の春。

自分は当時、英語サークルに入っていて、
関東新人スピーチコンテストで、彼の
“I Have A Dream”演説をしたのだった。

上智、ICU、津田沼、etc..

順番にスピーチされる各学校の代表は、
発音や流暢さが文句なく素晴らしかった。

おそらく、ほとんどが帰国子女なのだと
思われる。

もちろん、自分の大学も僕以外の代表は
全員帰国子女。

僕は、愛媛生まれの埼玉育ち。

普通にやって勝ち目がないことぐらいは
分かっていた。

(どうしたらいいものか・・)

そこで、僕は壇上に上がるとおもむろに
マイクをどけた。

そして、十分な間をとってからゆっくりと
話し始めた。

肉声でのスピーチというわけだ。
この方がよく通る。

そして、ジェスチャーを大げさなぐらいに
やった。

スピーチしているうちに熱くなってきて、
最後の方はほとんど叫んでいた気がする。

終わってみると、高らかな拍手に包まれた。
・・僕は関東で5位に入賞した。

審査委員は3名で、2名がネイティブの方。
その二人には激賞された。

「発音はいま一歩だが、オリジナリティが
 あって良い」
「君のスピーチからは熱さを感じた」

一人は1位、もう一人は2位に選んでくれた。
素直に嬉しかった。

なぜ5位だったのかと言うと、最後の日本人の
何とか教授に最低点を付けられたからだ。

「マイクをどかすなんてスピーチではない」
「君は、それがオリジナリティだと思ったのか」

真面目くさった顔で説教された。

前例がないことをやるのが、キング牧師の遺志
ではないのか。僕は自分の気持ちをストレート
に伝えただけだ。

と言いたかったが、馬鹿らしいので止めた。
気分が悪くなり、貰った賞状はすぐ捨てた。

「常識を毛嫌いし、異端を愛す」

僕の個人的闘争は、ここから始まった。
そして、それは今も続いている。