天使の定石 | Re:アカツキ☆ドット☆コム

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If it can be imagined, it is real.

四角く切り取られた空に浮かぶ丸い月。
流れる雲が月を静かに侵食する。
夜を支配する闇と静寂。

きみが微笑んでくれるのなら
ぼくはこの夜空にでも虹をかけよう。
この先ずっと魔法が使えなくなったとしても
きみの1秒にぼくの永遠をささげよう。


「ぼくは幸せだったんだ。」


私の隣で”彼”はささやいた。
私の役割は”彼”のお迎えではない。
ただ今回はたまたまそうなっただけ。

私は動かなくなった”彼”のそばで泣いている少年の

祖母に頼まれてこの場所に来た。


私の隣に座っている新しい小さな友人の首輪には
”ミケ”と書かれたタグと小さな鈴がついている。


少年の祖母はこの世界にはいない。
私達の住む世界の住人になっている。
彼女は条件を満たしてたので
まだこの世界に住む彼女が望む人の
悲しみや苦しみを取り除く事を
1度だけ私達に依頼することが出来た。


なぜ少年の祖母がこのタイミングで
私に仕事を依頼したのか分からない。
これから先、
少年はもっと悲しい現実や苦しみに直面する事もあるだろう。
それでも彼女はこのタイミングを選んだ。


私は少年の肩にそっと手を置いた。
少年の悲しみや苦しみが伝わってくる。

少年には兄弟も姉妹もいない。
でも”彼”がずっと一緒にいた。
”彼”の言葉は少年には分からない。
でも少年には”彼”の気持ちがなんとなく伝わっていた。
”彼”も少年に気持ちが伝わっているのが分かっていた。


「冬の寒い夜、きみの布団に潜り込むと暖かかったんだ。」
~どうしてそんなに冷たいんだよ~

「お家の中で一緒に走り回って楽しかったなぁ。」
~動いてよ。目覚ましてよ。~

「もっとたくさん一緒にいたかったなぁ。」
~どこにも行かないでよ、ミケ・・・。。。~


”彼”はずっと少年の涙を止める”魔法”を使えた。
でも”彼”にはもうそのチカラがない。

私は”ミケ”を見た。
そして、少年の肩に手を置いたまま、
”ミケ”に触れた。




”ミケ”は小さくないた。




少年の耳に”ミケ”の声が届いた。




「ぼくは幸せだったから。」





私は少年の悲しみや苦しみが、
何か別のものに変わるのを感じて、
少年の肩から手をどけた。


なぜ少年の祖母がこのタイミングを選んだのか、
なんとなく分かった気がした。


人間とは思慮深いものなのだなと少し感心した。

私は新しい小さな友人を見た。
”彼”は小さくミャ~とないた。

「よろしく。」
私は”彼”に挨拶し、


”彼”を少年の祖母のもとへ連れて行くことにした。