ここの所
仕事帰りに直接習い事に行くことが多くなった。
お昼ご飯を家帰って食べたいのだが
そんな時間的余裕はない。
今の所週1ペースでマクドナルドに立ち寄って
ハンバーガーと
チキンクリスプと
マックフライポテトと
オレンジジュースを頼んで
ガツガツ食べ、胃に流し込んでいる。
私、貧乏を脱出したんだなと時々思うのだ。
………
私が小学校一年の時だった。
「ピンポーン」
誰だろう?
「おじさんだよ」
正確には祖父の兄、大伯父と言うのだろうか?
「マクドナルドのハンバーガー、買ってきた。」
ウァー!
私は何も訳が分かってなく、その場では大喜びした。
そしてはっと我に返り
「おじさんにお茶を…」
その時
「お茶なんか出さんでえぇー!!!!!」
母の叫び声。
子供心に異常事態を感じ、
私らは奥の部屋に逃げた。
おじさんが帰った後、母は怒っていた。
でも
マクドナルドは置いていったらしい。
私らは嬉しくて一個のハンバーガーを何等分かに切って
2、3日がかりで少しずつ食べた。
当時ハンバーガーは私らにとっては高級品だった。
おじさんの事をサンタクロースのように思っていた。
しかし
何年かして物心がついたころ私らは両親に呼び出され、
あの出来事の顛末を聞いた。
子供ではなかった私だが、その話を聞いて私は
こんなところにワイドショーネタのような話があるんだと
愕然とした。
そのおじさんはなぜか私が進学した時、祖父や両親が頼りにしてたらしく、
何年かぶりに家に入れたことが強烈に思い出す。
その時
「進学おめでとう、何か欲しいものはないか?靴か??」
そう声をかけられた。
しかし、私は特に返事をしなかった。
両親にこんなことがあったと告げると
「なぜそこで靴をねだらなかった?」と聞かれた。
私は
「今までの流れから、とてもおじさんが靴を買ってくれるとは思えない。」
マクドナルドのハンバーガーはくれても、
靴買うお金はないだろうと思ったことを
両親に話すと、
両親はいたたまれない気持ちになったような表情になった。
未だに謎だが
なぜおじさんが
大学関係に詳しいのか私には分からない。
そのおじさんはとっくに亡くなってしまったが
食べ盛りの私らにハンバーガーを持ってきてくれるような
いい機転の利くおじさんの側面があった。
ハンバーガーは他のお店のものも食べることはあるが
マクドナルドを食べるたびに
おじさんの事を思い出すのだ。
家族に迷惑をかけるようなおじさんであったとしても、だ。
ではまた。