あなたのぬくもりを感じて…。 | +春は巡る、いつも美しく+

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最近は、サクラ大戦1&2の二次創作の小説をメインに書いています。時々、小説以外のことも書い
てます。小説については、リクエストやご意見・ご感想をい☆つ☆で☆も☆お待ちしてますよ~(o゚▽゚)o

 一郎の手のぬくもり…。初めて感じる家族の暖かさ…。私が知らなかった、愛するということを、一郎と2人の娘が教えてくれた。


「ママ!!」
紅葉と柚希が駆け寄ってくる。その日あったことを、全部話してくれる。
「今日、さくらとすみれが舞台の上でケンカしてた!!」
と柚希が話せば、
「カンナが、沖縄ってところの話聞かせてくれたんだよ!!」
と紅葉も負けじと話し出す。私は、2人の話を全部聞いてあげる。2人にとって、大帝国劇場で、花組のみんなと過ごす毎日は楽しいに違いない。私にとって、2人の話を毎日聞くことが、楽しくて楽しくてしかたがない。ただ、紅葉も柚希も、本当の私を知らない…。2人には、私は、「かっこいいママ」って映っているのかもしれないけど、本当は違う…。ママは、本当は、とても弱いの…。あなたたちが思うほどかっこよくなんてないの…。


 夜も更けていく。星たちが心細く瞬いている。帝劇のテラスで、一郎と私は向かい合っている。一郎は、何かを言いたげな顔で私を見つめている。
「一郎…?どうしたの…?」
私は、一郎に尋ねた。一郎は、いきなり立ち上がって、私に向かって歩みを進める。
「かえで…。俺からかえでにお願いがあるんだ。」
一郎は、いきなり私を抱きしめた。突然のことで、どうしたらいいのかわからなかった。ただ、一郎の話を、黙って聞くことしかできなかった…。
「俺の前で…無理して強くいようなんて思わないでくれないか?」
力強く、それでいて、とても優しく語りかける一郎。
「一郎…?どうして…そんなことを…?」
私は、一郎に聞いてみた。
「俺にはかえでが無理してるようにしか見えない…。そんなことばかりしてたら、かえでの体が持たない。紅葉と柚希の前では強くいようと思ってくれてもいい…。だけど、俺の前では、かえでの弱いところも見せてくれないか?」
一郎は、私を抱きしめたまま、優しく語りかける。
「一郎…。いいの…?私の弱いところ…一郎に見せてしまっても…いいの…?」
私は、声を震わせ、一郎に尋ねた。
「もちろん!!俺が、かえでを支える。だから、俺の前で、無理して強くいようなんて思うのは、やめてくれ。」
一郎は、私の髪をなでながら、優しく言った。私は、一郎のぬくもりを感じながら泣いていた。
「一郎…。ありがとう…。私を支えてくれて…。こんな私を…愛してくれて…。」
一郎は、私の気持ちが落ち着くまで、ずっと髪をなでていてくれたらしい…。なんとなく、気持ちが落ち着いたように感じられた。


 私には、物心ついたころから、父親も母親もいない。血のつながっている肉親はあやめ姉さんしかいなかった。そのあやめ姉さんも、今は、もういない…。だから、私は、家族の暖かさを知らなかった。誰かを愛することの大切さを知らなかった。そんな私に、家族の暖かさ、誰かを愛することの大切さを教えてくれたのは、他の誰でもない、一郎と2人の娘たち。これからも、
ずっとずっと4人で平和に暮らしていけたらいいな…。 
  








☆あとがき☆
本日2作目です…。長いですね…。申し訳ありません…。いろいろと…。


最後まで読んでくださりありがとうございました☆☆




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