神戸の元町映画館がセレクトした日本の若手新鋭監督の「少女」をテーマにした短編3本。
まず惹かれたのは監督の皆様たち。この3名の作品なら面白いだろうな、と。
元町映画館さんたらナイスセレクション!!


①「ゆめの楽園 嘘のくに」今泉かおり監督
今泉監督はダンナ様も映画監督というクリエーター夫婦。自身は看護士として働き、子育てをしながら監督業もこなすハイパーウーマン!!
親の言われるままに医者になるべく勉強ばかりしている小学生の少女が、自由に生きてる叔父と出会い、少しずつ変化していくお話。
自分を持たない少女が、好きなことをやって生きてる叔父と過ごすうちに、今まで避けて来たクラスメイトとの交流を持つようになり、明るくなっていきます。
だけど、この映画が素晴らしいのはそれで終わらないところです。
自由に生きてる叔父は、仕事が実にならず姉(少女の母)にお金をせびっていたり、仲良くなったクラスメイトの一人には物を隠されたりします。
「人生そんな甘いもんじゃない」と分かりながら成長して行く少女の姿に私は感動しました。


②「はじまり」濱口竜介監督
数年前に同監督の「passion」と映画を観て度肝を抜かれた記憶があります。期待している監督の一人です。
受験を控えた中学生の女の子が、詩のような台詞を唱えながら時間をも飛び越えるお話。
詩のような台詞も印象的で、「はじまり」と言うタイトルに相応しい新しい感覚の映画でしたね~。
ああ、早く濱口監督の新作観たい。


③「転校生」金井純一監督
クラスの中で浮いた存在の容子は常に一人。そんな中転校生のリサがやって来る。自己紹介で「誰とも仲良くなるつもりはない」と言うリサに興味を持った容子は、彼女と仲良くなろうとするが「ついてくんなよ」と言われてしまう。
私はこの作品で号泣しちゃいました。容子とリサの心の動きが丁寧に描かれて、そして心揺さぶるラストまで僅か20分!!金井監督素晴らしい!!
この作品を観てから私の今年の流行語は「ついてくんなよ」です。いやはや、「ついてくんなよ」って言われて感動して泣いたの初めてだ~。
そしてリサ役の女優さんがこれまた美人さんで将来どえらい良い女になってるに違いないわ~。


そんな訳で三作品ともめちゃくちゃ良かったです。元・少女の私としては、もう戻ることのない、ちょっと面倒くさいけどかけがえのなかった時間に思いを馳せるのです。