新年のご挨拶 | 一龍斎貞水

新年のご挨拶

光陰矢の如し、あっという間に五十七年間の歳月が(パンっ)

入門してから真打になるまで一番若いと言われ続けてきましたが、今では一番古い講談師になってしまいました。昔は水も滴る好男子も、いまや(パンっ)


 頭りには越路の雪を頂き 額に青海の波を漂わせ 腰に梓の弓を張り いつか姿は翁と化し


……あ、これ、講談の常套句ですが、ここで一寸講談の講釈を。頭は白髪になり、おでこには波のような皺が寄り、腰は弓のように曲がってしまったという意味です。

講談は高尚且つ優美な芸能ですので綺麗な日本語を使うのですよ。


今年は龍年。架空の動物でありながら、十二支に選ばれた龍。それだけ人々に影響力がある存在だったのでしょう。

我が一龍齋の龍年、空天に駆け昇り、天下にその名を、張扇の音と共に轟かせたいものです。(パンっ)


本年も何卒宜しくお願い致します。