参議院廃止論は正論である         

                                       北海道幹事 海原 創

 

 本日(3月15日)本欄で発信された参議院無用論は極めて現実的、具体的で共感を禁じ得ない。

 

そもそも二院制を必要とする最大の理由は衆議院だけだと解散、選挙となり国会が休止した場合に起こる国家存亡の危機に対処できないということらしい。しかし現実問題としてその可能性を信じ、だからこそ参議院を不可欠と考える国民がどれほどいるであろうか。国家存亡の危機に対処するのは国会だけでなく国民すべての問題であり政府がいつ、いかようにも機能出来るよう法改正を施せば済むはずである。

 

 参議院の前身として明治政府が設けた貴族院は報酬などを期待しない矍鑠とした超党派の議員たちが、ともすれば誤った方向へ向かわんとする衆議院の動きを監視したり是正するために機能した。よって議員の姿勢は常に公正を旨としたのである。今さら明治政府を参考にするまでもなく参議院が必要とされる本旨は衆議院の代役ではなく「どこまでも衆議院の怠慢や腐敗や独走を戒め国家の姿勢を正しい方向へ導く」ことに尽きるのである。

 

 しかるに参議院はいまや衆議院の落ちこぼれの救済場所と堕している。

 

国会議員でさえあれば衆参を問わないという分別無き政治屋たちがあれこれと工夫を凝らして参入しようとしている根性がいかにも貧しい。参議院もまた各党派の戦場と化している。それでもなお参議院の議員を選択せよと要望される国民こそ迷惑この上もない。すっかり職業化され、当選すればたとえ無為の存在であろうとも最低六年間は身柄や多額の報酬が保障される参議院はまさにに安住の地であるからだ。そのような楽園を目指す候補者が日夜騒音をまき散らし、街中を駆け回っている姿は滑稽だが、そのすべてが国民の血税で営まれている事実に戦慄を禁じ得ない。加えて、衆議院と同じかそれ以下の仕事しかできない議員を選択するために有権者が余計な神経や時間を強いられる苦痛は並大抵ではない。

 

議員の定数是正と同じく国会の在り方や改革を国会議員が手掛ける現状で参議院を廃止する議論を国会議員に求めるほど滑稽な選択はない。国会議員にとって自らの牙城を破壊する作業など悪夢に等しいからであるからだ。これを議論のレールに乗せるのはどこまでも国民の力である。

 

われわれは参議院の廃止を絶え間なく国民に訴えこれを重要課題として運動方針に組み込まねばならない時期を迎えた。