能登半島では避難所生活を未だに続ける人がいる。

地震から2か月以上経つというのに、未だに水が使えないところもある・・・。

 

今朝の朝日新聞1面には、「単身の高齢女性 4割が貧困」の大見出しが踊っている。

65歳以上の一人暮らしの女性の相対的貧困率…ほとんどの人が享受する暮らしを享受できない人たちの割合・・・のことである。

一人親所帯の貧困率44.5%(厚労省・国民生活基礎調査)に劣らない数字である。

 

他方、1千万円を超えるような大金を違法な政治資金パーテイのキックバックで得ていた人もいる。

例えば、前官房長官M氏・・・このほど政治資金収支報告書を訂正し、政治活動に使ったお金だからということで何のお咎めもなく、税金も払わなくて良いそうである。

 

因みにジャーナリストの新恭氏によれば 政治活動に使ったというこのM氏の支払先は、22年9月4日から10月11日までの1か月を見ると「赤坂にのまえ:22万円、リストランテサバティーニ青山:38万円、ケンゾーエステイトワイナリー六本木ヒルズ店:27万円、中国飯店富麗華:14万円、渡なべ:17万円、ホテルオークラ東京:38万円」だったそうである。

政治活動は高級レストランやホテル、クラブなど、夜の街で行われたようだ・・・。

橋下徹氏が「夜な夜な…」と言って怒っていたが、どうもその通りのようだ。

 

少し前までは、政治家になると国事・国民のために懸命になって家産を傾ける・・・家に残るのは井戸と塀ばかり・・・という「井戸塀政治家」という政治家の貧乏物語があった。

今どきの政治家の生活ぶりを見ると、実入りも良く財産も増えるようで一昔前の政治家の面影はない…。

 

政治家を志したころには、それこそ身を捨て「世のため、人のため」を思っての立志・初心であったろうとは思うのだが、赤いじゅうたんを踏みながら「正直者は馬鹿を見る」景色を見ているうちに「朱に交われば赤くなる」の言葉通りに「世のため、人のため」を忘れ、真っ赤に染まってしまった…。

 

最近の国会議員たちを見ていると、「網走番外地」という映画が昔あったが、「国会番外地」というべく国民の常識が伝わらない…通用しない・・・まるで「日本番外地」のごとくである。

 

税と社会保障費を足した国民負担率は46.8%にも達し、負担増にあえいでいる国民が少なくないのに、税逃れの裏金議員が罪を逃れのうのうと暮らしている姿を見ることは、果たして保守哲学が志向する「助け合う共同体社会・日本」の姿に相応しい景色なのか…。

 

かつて「(利権に狂う)自民党をぶっ壊す」と言って首相になった人がいたが、この「(裏金や蓄財に狂う)自民党をぶっ壊す」という政治家は一人としていない無気力さだ。

不正を見ても怒りというものが無い・・・のだろうか・・・。

 

この荒んだ政治状況を生んだ背景には、政治家自身の責任が最も重いとしなければならないが、それに劣らず国民の主権者としての投票行動をはじめ、権力に忖度を続ける司法や官僚、メデイアの在り方なども多くを点検しなければならないだろう。

 

今回の混乱をいい機会として捉え、それらを打開する道を考え、我々国民を含め、行動を改める契機にしなければ「明日の日本はない」と思う。