昨日2月7日は、北方領土の返還を促進させるための「北方領土の日」であった。

にも関わっらず、「北方領土問題を」特集した新聞やテレビには、少なくとも私は出合わなかった。であったのはベタ記事ばかりであった。

 

東京では「北方領土返還要求全国大会」が開かれ、岸田首相が、「日ロ関係は厳しい状況にあるが、領土問題を解決し平和条約を」と挨拶したそうである。

学校で国家存立の3要素は領土、国民、主権であると習ったが、北方領土はその3要素すべてを失った非日常的な異常事態にあることを思えば、首相の挨拶は心ここにあらずで去年と同じ決まり文句の羅列で、いつもの「行事言葉」にしか私には見えない。

あたかも首相には、運動会行事と同じように「北方領土の日」がやってきて過ぎ去っていくいつもの行事…。

 

しかし、政府は昨年10,11月に内閣府が実施した北方領土問題世論調査で、(1)北方領土がロシアに不法占拠されていることを「知らない国民」が35%いる事、(2)中でも40歳未満の若い世代では50%近くが「北方領土ということばを聞いたことはあるが、内容までは知らない」と答えていたことを知っていたはずである。

 

北方領土から日本人はみな追い出され今は誰も住んでいないから、北方領土問題は放っておけば忘れられる運命にある。

特に断絶気味な若い世代には意識して対策に当たらねば、「返還運動の断絶」を招きかねない恐れがある。

 

北方4島の近況は、飛行場や道路などインフラ整備が進み、ロシア化が進む一方である。

ロシアには、平和条約締結交渉やビザなし交流、墓参などが拒否され、日本が寄贈した「友好の家」(俗にムネオハウス)も営利転用されているようである。

1月にはロシア安保会議副議長のメドベージェフが「日本人の感情など関係ない、ロシア領だ」といよいよ角を伸ばし、プーチンも最近「国後に必ず行く」と言っている。

 

政府に打つ手は限られているかもしれないが、国内世論の低下だけは避けなければやがて北方領土は吹っ飛ぶ可能性さえある。

 

北方領土問題を知らない国民が増えているというなら、政府はスポンサーとなり新聞やテレビ、スマホを通じて一大啓蒙運動をすべきである。

小中高における学校教育の見直しも含め、政治家らしい熱意、情熱、執念を見せて欲しいものである。

 

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首相官邸に要約し、メール送信しました。