低音・まっ白な日々-紅
『紅』(片山 憲太郎)


ついでに言っておくと、イラストは山本ヤマト







↓ネタバレ注意↓









ジャンプスクエアのほうで連載している(今もしてるよね?)漫画の原作小説。というかラノベ。

漫画のほうも少し読んでみておもしろかったのと、個人的にD-0のイラストも描いていた山本ヤマトさんの絵が好きだっていうことで買ってみました。


自分がダメ人間だと思っている、チートっぽい力がある高校生が、すごい財閥のお嬢様の護衛を任されるっていうお話。

どっちが先なのか分かりませんし、あまり比べるのもよくない気がしますが、西尾維新さんの戯言シリーズと世界観や設定が似ているような気がします。

紅真九朗のまわりの、 なんだこのハーレムは・・・。 とか、 九鳳院紫の大人っぽい子供な性格とか、 読んでいて楽しいです。

こういうのを読んでいると、何歳差まで恋愛対象とみなせるのか考えることになりますが、若いころの1歳違いと大人になったあとの1歳違いは重みが全然違いますよね。高1と小1の9歳違いは「いや、それはないだろう」と言わざるを得ませんが、(もしかしたら人によるのかもしれませんがww)35歳と24歳で年の差9歳で結婚とかは意外とありますよね。


話の内容のほうに戻りますが、紫の護衛を請け負った真九朗が、最初は紫をお嬢様、もしくは単なる子供として扱っているのに、だんだんと紫本人と接する感じになっていくのが印象的でした。それから、紫を守って感謝されることで真九朗自身が自分の存在価値を見出していくのも話の中で重要な位置にある気がします。

誰かと比べて自分は勝っているというような相対的な比較によって存在価値を認めようとすると、上には上がいるのできりがなく、結果的に価値を過小評価してしまうことにつながりますが、誰かにとって必要というような絶対的な評価に近いものになると自信につながりやすいのかな~と思いました。