あれれ、気がついたらリングに立っている。
まあいいか。相手はくちばしの黄色いヒヨッコだ。
少し遊んであげよう。
これが有名なあしたのジョーのノーガード戦法だよ。
若さという名の左ジャブ!
ど~れ、打ってごらん!

薔薇という名の左ジャブ!
ぜんぜん痛くないや。これくらいハンディだよ。

ドライブという名の左ジャブ!
痛くもかゆくもない。ハンディ、ハンディ。

真剣という名の左ジャブ!
いてっ。

情熱という名の左ジャブ!
いい加減にしないと怒っちゃうよ!
必殺のクロスカウンターを出しちゃうよ!
さて、お遊びは終わり!
そろそろ反撃してもいいですか?
じゃあ~、行くよ!
あれっ、オレサマがマットに倒れている・・・・
しかもレフリーが試合をストップしてヒヨッコの右手を挙げている。
あれっ、負けたの?
クロスカウンター打ってないのに・・・・
レフリー!、ちょっと待ってよ。 まだ戦えるって!
ぜんぜん効いてないよ!
オレサマが負けるわけないでしょ!
リングサイドで「おっつぁん」が、何か叫んでいる。
そうそう、有名なあの台詞だろ?知ってるって!
「立てぇ~、立つんだぁ、ジョォ~」だろ?
あれっ?よく聞くとそれじゃないみたいだ・・・
「何でお前がリングに立ってるんだ?、ライセンスもないのに!」
「ジャブも打てない奴がクロスカウンター?笑わせるなよ!」
「さっさとリングから降りろ!」
だって・・・・
ほんとだ、両腕が縛られてる・・・・
しかも重りも付いている。まるで囚人のように
鏡を見るとひどい顔だ。
そこまで殴るか?
そりゃ、見かねたレフリーも試合を止めるはずだよなあ。
っていうか何でリングに上がったのだろう?
ライセンスなんか最初から持っていないのに。
タコ殴りにされるは当たり前だ!
悔しくて悔しくて情けないけど、死ななかっただけラッキーかな・・・