昨晩遅くに、一通のメールが入った…
もう、何年になるんだろう。
ずっと行きつけの沖縄料理店からだった。
自分が沖縄とかかわるようになったのもこの店が始まり。
泡盛を呑む習慣も、三線を弾く習慣も無かった。
それが、今では生活習慣の一部になっている。
自分と沖縄を近づけた原点だ。
月に一度は、常連だけで集会を開く。
沖縄では「モアイ」とか「ムエイ」と呼ぶ習慣だ。
そのまま朝まで飲み明かしたことも、雑魚寝したことも、数え切れない。
自分以外の常連客も、店主も含めて、家族同然の付き合いをしている。
独りで訪ねても、自分の居場所がある。
構ってもらっても、構ってもらわなくてもいい。
この店には、確かに自分の居場所があった。
たくさんの人と出会った。
一緒に呑んだ。
一緒に歌った。
一緒にバカした。
皆、いい友人ばかりだ。
「勝手知ったる他人の店」
お店のメニューやチラシの写真は全て自分が撮影したものだ。
お店のここかしこに鎮座しているシーサーは自分が制作したものだ。
どこに何があるかも、たいてい知っている。
生ビールも自分で注ぎに行った。
忙しいときは、店の手伝いもした。
自分にとっては唯一無二の店。
それが、「来月8月を最後に店をたたむ」というメールだった。
あまりに突然で、あまりに呆気ないメールだった。
たくさんの思い出と、語りつくせない未練。
こんな店には、もう出会えないだろう。
また一つ、大切なものが自分から去ってしまった