第487回 札幌手稲経営者モーニングセミナーは
野宮建築 代表
札幌豊平倫理法人会 幹事
野宮 正人 氏をお迎えして
テーマ「倫理で楽しい現場づくり」にてご講話いただきました。
講話内容まとめ
①配管工時代、職人気質で気難しい大工たちと関わるなかで、日に日に「自分が優しい大工になって業界イメージを変えたい」と思うようになった。
②大工に転職後、辛い修行時代を経て独立。のちに「倫理法人会」と出会う。経営者の交流会と縁がなかったので思い切って参加した。
③「物はこれを生かす人に集まる」という倫理の考え方に惹かれる。
「大切につかえば、その持ち主のために喜んで働き、粗末にあつかえば、すねて持ち主に反抗するだけでなく、時には腹たてて食ってかかるが、けがをするというようなことはこうした場合が多い」
「朝ばん、道具を拝むようにして働く農夫や大工が、その道具でけがをするというようなことはない。不足不平でぶつぶつ言い、機械をかたきのようにいやがり、どれいのように酷使している人は、その機械の運転がまずく、時には大けがをすることさえある。仕事に精根をかたむける人は、まず用具の手入れを十分にし、用具を大切にする」
④これまで自分は、道具や現場の整理整頓はその日の気分次第でやっていたが、これからは毎日欠かさず道具の手入れをしようと決意し、実践にうつした。あるとき、仕事を紹介してくれたお客さんから、こんな言葉をもらった。
「以前、野宮さんが一生懸命に道具を整理しているところをみて、「この人なら信用できる、絶対にいい仕事をしてくれるはずだ」と確信したんです。だから、いまこうしてお仕事を紹介させてもらっているんです」
思わぬところで、「倫理」の意味を実感し、それ以来、倫理の実践にドはまりする。
⑤現在、新しい実践に挑戦中。気難しい職人さんと一緒に仕事をすると、職人たちのその日の気分で現場の雰囲気が変わってしまう。機嫌が悪い日は、”楽しくない現場”になってしまう。
「大工とは「現場の王様」ではなく、「現場のリーダー」なんです。ほんとうは、現場を楽しいものにしなくてはならないんです。
もしも、子供たちが怒号の飛び交う現場をみたら、どう思うでしょうか？ そんな”楽しくなさそうな”仕事の世界に、憧れを抱いてくれるでしょうか？
わたしは大工という仕事に誇りをもっているし、「いつかカッコイイ大工さんになりたい！」と夢をもってくれる子供が増えてほしいと願っています。
じゃあ、いま自分にできることは何なのか？ まずは、率先して現場の雰囲気を明るくするリーダーになるために実践をしなければなりません」
そこで野宮氏は、必ず職人たちにニコニコ笑顔で元気よく挨拶をする実践を開始。はじめは気味悪がられたが、「〇〇してくれてありがとうございます」というように、ねぎらいの言葉を挨拶に付け加えて工夫をしてみると、これまで一度も笑顔をみせてくれなかった職人さんの顔がほころんだ。
「ここでわたしは気付いたんです。ただただ「おはようございます」や「お疲れさまです」を繰り返すだけじゃ意味がないんだって。
そうではなくて、その人への感謝の気持ちをのっける。人っていうのは、たとえば、「今日は〇〇してくれてとても助かりました、ありがとうございました」という言葉をかけられると、「自分の仕事をちゃんとみてくれている」という嬉しい気持ちが自然とわいてくるものなんですよね。
だから笑顔になれる。すると、次の日も笑顔になっている。むこうのほうから挨拶をしてくれるようになるんです」
⑥ガムシャラに働くことは、時として大事なことだと思う。けれど、身体を壊してまでするべきではない。なぜなら、「自分」という存在は、仕事の道具そのものであり、また大切な商品だからだ。しゃにむに働き、身体を壊して仕事に支障をきたすようなことがあれば、それは「物はこれを生かす人に集まる」という実践から外れてしまう。自分自身をいたわることは、最高の仕事を提供するためにはなくてはならないプロ意識なのだ。
今回もいい学びになりました。
ご参加くださいました皆様ありがとうございます。
■札幌手稲倫理法人会 会長より
『地域に根差したここに倫理ありといわれる法人会を目指そう！』
平成31年度4月に10周年を迎える札幌手稲倫理法人会は今までより一層の地域に根差した法人会を目指していきます。
その為にも魅力あるモーニングセミナーの講師陣をそろえ経営者共通のテーマに沿った各種講演会や会員家族共々交流を深めることが出来る行事を開催し地域のリーダーとなる法人会を目指していきます！！
札幌手稲倫理法人会会長
株式会社札幌教材製作所 代表取締役 上田 邦秀
■会場情報
開催曜日 毎週金曜日
開催時間 モーニングセミナー 6：30～7：30まで
朝食会 7：45～8：15まで
開催場所 前田中央会館
〒006-0818 北海道札幌市手稲区前田8条11丁目1-23