*****************************************:***
◆最近、内部からも不安の声があがっている、伊賀忍者の発祥の地にして、いまだ活動拠点の中心、伊賀上野の
武力的弱体化をいかにして外部からみてもそれと感じさせぬいい方法はあるか?
公儀隠密伊賀組頭領6代目服部半蔵引退に伴って、新頭領に就いた「日(ひのわ)輪天真」に
説明していた影丸。
その説明の最中に「裏柳生4名」が伊賀屋敷庭内に侵入。
影丸の手裏剣が命中した者、3名は自害。1名は逃走?
◆さらに影丸は天真に小判を差し出し、この50両を使ってくれという・・・
*******************************************
天真「この50両いきなり使ってくれと言われてもな、ありがたい話だが・・・
いきさつなり、出所がわからんことには・・・」
影丸「さようですね。まず、伊賀上野の教育学部を2学科制にしました。
いままでの忍び初等教育部はいろいろな年齢層もいて名前がそのままですと
チョット物騒ですから、体育学部へ。」
天真「なんだか大げさだな・・・」
影丸「大げさにするからこそ、組織として大きく見えないかな?と思いまして。
いま一つは、まあ、寺子屋+接客修業+飛脚業とでも言うのでしょうか?
<商学部>としました。」
天真「その3つの科目、全部合格しないと卒業できないのかね?
それに、飛脚とはなんだ?」
影丸「どれか一つ以上私が見てよければ卒業です。
読み・書き・そろばん・接客の成績が良ければ、京の御店で使います。
大丸呉服店は今のところ黒字で、店の地代、人件費を払ってもあまりがでれば、
上野の学務課に<匿名から(勿論どこからかわかっていますが)>寄付の形で
保管してもらっています。
それから、これはきっと驚かれると思いますが・・・
<体育学部>をどなたか信頼できる方に、と思って困っておりましたところ、
杢兵衛(もくべえ、半蔵暗殺秘帖、応援の伊賀地獄谷の忍者の一人)殿が先日突然おいでに
なりまして、先ごろ、飛騨忍者との再戦があったと聞いたがなぜ自分を呼ばなかった?
とえらく御立腹でして・・・」
天真「あいつは昔からそーゆーやつよ。で?」
影丸「おいえの方は長男様に家督を譲られて、自分は隠居の身である。
しかし、そういった、話が、今後ともあれば、ぜひ声をかけてくれ、まだまだ若いモンには
まけんぞ!!とおっしゃいましたので、
実は、上野の初等教育の責任者を探しているが、なかなかこれといった人物がいなくて
困っております。杢兵衛殿に御頼みできれば一番かとも思いますれば、貴方様は、
敵と戦っておいでの時が一番おすきのよーで、新米のキョーイク係などばかばかしくて、
と申し上げたところで・・・
<影丸、何を言うか、その役、よろこんでやらせてもらうぞ。やはり何と言っても何事
基礎が大事ぢゃ。その基礎を教えてくれと頼まれることは、大変名誉なことじゃ>、と。」
天真「なんだか、まじめなあいつらしい答えのような気もするし、意外な答えのような気もする。」
影丸「そこで杢兵衛殿には、当初もう一つお願いをいたしました。
卒業間近な生徒に江戸と伊賀上野の間を往復させ、江戸城が危険に晒されていれば、
拙者か杢兵衛殿が、できのいい卒業予定者を3-4人選抜して江戸城のお庭番に加担させる。
無論学生なので無理はさせない、いかがであろうか?
すると、<敵のかく乱だけに使用、やはり学生を実戦に投入するのは、やめた方がいい。
すくなくとも学務課では家族からその子を預かっているわけであるからな。
しかし、後方撹乱だけでも、相手は我々に挟み撃ちにあったと思い、心理的影響は相当おおきい。
学生にこう言った場面を見せるだけでも、十分な実戦経験となるのではないかと自分は思う>と、
まあ、猪突猛進型の杢兵衛殿からは想像もつかぬような大変慎重なお答を頂戴いたしました。
それから、ところでお主は今何をやっているのかと聞かれましたので、京の呉服店を、週3回
暮六つ(午後6時)に店を閉めた後、上野まで参りまして<商学部>の接客の授業を行っております。」
天真「お主そんなことまでやっておるのか。
じゃ定員割れした初等教育部に、忍の修業以外にやって来るものを入学させて何とする?
それに京都ー上野決して近いとはいいがたい・・・15里ほどか?」
影丸「さすがでございますね。その通りにございます。<図ー1>」
天真「そーいえば、何度かどこか地方の武装勢力や、一揆忍者隊に攻められたとき、相手が勝手に
引き上げていったことがあったな。
それはお主たちの応援であったか。かたじけない(11/30,影丸がいない日、あるふぁ)。
それにしても、みずくさいではないか、
そーとしっておれば、連絡し合ってそれきれこそはさみうちにできたであろうし、お礼もできた。」
影丸「いやまったくそのとおりで。しかしそのころはこちらも、街道筋を守っていくのが精一杯の手勢で・・・」
天真「京に行ったお主がなぜそこまで考える必要があったのだ?」
影丸「はい。江戸ー京都間は親藩・譜代の城持ち大名のお歴々(小田原、府中[静岡]・掛川・浜松・吉田[豊橋]
・岡崎・桑名・亀山)がおいでになりますが、吉宗公の改革以来百姓一揆が増えておるとうかがっております。
そして、それをあと押しして、一気に幕府転覆を狙うヤカラもないわけではないと・・・・
そのたびごと、お庭番衆が出張って鎮圧の手助けをしているとやら・・・
本来お庭番の仕事はこんなこぜりあいを鎮圧する部署ではなかったはず。
私は、一揆衆鎮圧や、前回の飛騨忍者隊のような不穏な動きの下調べ、ちょっとした自分たちの資金集めに
上野の学校を使うなり、そういった要員の育成に使ってはどうか?と考えました。
やはりこれから、本格的戦乱はなくなりましょうが、潜入、かく乱、情報操作など必要となりましょー。
あまり「自分はブトー派ではないがそーゆーんは好き!」という人間のために学校を改組し、
京の大丸ではその実践の一部をやってもらう・・・・とゆーねらいです。
「戦わない忍び」の養成も始めようとでもいーましょーか・・・
もともと、忍びの「本義」の職分に戻りつつあるだけでは?とも思えますが・・・
もちろん考えようによっては余計なお世話かもしれません。
しかしこれから、米と金を握っていなければ、人を雇えなくなりますし、いい教育環境も作れません。
それじゃー、金はどーやって集めるんだ・・・ということになりますと、大丸の上がりだけでは大丸の運営と
上野学校の運営資金だけで消えてしまいます。
まさか、学生さんから多額の授業料をいただくわけにはまいりませんからね・・・
それでは、どうせ、江戸城の応援などに行き来するのだったら、その空き時間を利用して飛脚でもやるか
ということになりました。これは上野学校公認のアルバイトです。
先程差し上げました50両は、飛脚を始めてから100両たまり、折半。
私と杢兵衛殿で50両を管理、残りを杢兵衛殿のご了解をえて天真殿に使っていただこうということで
お持ちしたものでございます。」
***<図ー1>京ー伊賀上野間*******
①木津廻り:平坦、約60km
②京都ー石山寺ー信楽ー上野:山岳路の50km、①に比べてメリットはほとんどない。
特に冬は積雪で、使えない日もあった。
###############################################
********************************************************************
天真「話の内容は分かった。聞いているほうとしては、案外短いものだが、読み手の皆さんは大変でしょう・・」
カラス「書くほうも楽ぢゃないんだよ。」
天真「おまえは出てこんでもよいぞ
。影丸はこのことをいつから考えていたのだ?」
影丸「吉宗公が増税をするといううわさがあったので、一緒にやれば目立たないかな?と思いまして」
天真「では、今回の飛騨忍者が来る以前からか?」
影丸「はい。ですから、江戸を留守したのは失敗だったかと思いました。
呉服店を<中忍>がやっていれば信用度も違うかな、とおもってでかけたのですが。。。」
天真「そんな大事なこと、どーして一人で決めたりしたんだ。たまたまうまくいったからいーよーなものだが・・・
今回の戦いの後も突然いなくなりやがって・・・まー50両で手打っとくさ・・・
それにしても、ずいぶんな長期的計画を立てたものだな。」
影丸「自分も反省はしておりますが、あの、テンイムホーと申しますか、異様に話がわかる先代・半蔵様と天真殿が
おいでにならなかったら、思いつかなかったかもしれません。」
天真「考えれば考えるほど先代様は変わったお人だったのー。いま思えば、えらぶるところなく、和を重んじる方で
あったとでもゆーべきか・・・」
影丸「天真殿、先代様に対する評価がだいぶかわりましたな?」
天真「ワシも人の上に立ってみて、あの方が下の者のメンツをつぶさぬよー、配慮なさっていたのがよくわかった。
目下の者を叱責するのは簡単だが、失敗などしたときに周りに恥をかかせず、本人のやる気を喪失させないように
することは、ほんとーに難儀なことだ。先代様はそれが大変うまかった。
今となっては、もー遅いが、その技を伝授していただきたかったのじゃ。
ところで、その飛脚とやらはどーやって走らせておるのぢゃ?」
影丸「いまのところこの5種類の<早飛脚>だけでございます。<図ー2>」
天真「なんと!もはや、五組の飛脚便があるのか?!」
影丸「いーえ!」
天真「したが、これでは、どの便も早飛脚で立ち寄り宿もちがうぞ?」
影丸「御意。いままで同じであったことはなかったと思います。」
天真「なんだか、お主の言っていることまたまた、さっぱりわからん。
聞き手わし一人では自信がない。
手のあいたものを呼ぶが、構わんな?」
影丸「もちろんでございます。
では、次回にでもご説明のほうはいたします。」
******************************************************************
<図ー2、伊賀組飛脚便>
五組の飛脚便が存在するが、影丸は
◎人手不足でノンストップ便は行っていない
◎やはり人手不足と中継地の兼ね合いで往路と復路では違う飛脚便に
なっている可能性もある
などなど細かいことはいっさい説明していない。
☆上記飛脚便立ち寄り・・・■■はノンストップ便
************************************************************************
影丸再び ② 了
図の説明もせず、終わってしまい申し訳ありません。字数が一杯一杯でした。
③に続きます・・・予定ですけど・・・年末年始はさまりますのでホショーできません。
