気付かないで・・・ | 余生庵 カラスの晴耕雨・読ぶろく…クンセイが肴

余生庵 カラスの晴耕雨・読ぶろく…クンセイが肴

残り少ない余生をテキトーにいきていくブログ
◇監修 左上野 老鶴 ◇GM 経田野 横鋤 ◇照明 当代元 蔵志
☆余生を送っている人間が書いている記事ですので、恐縮ですが
 「記事更新頑張りましょう」といったコメントにはお返事できま
  せん。

「だれかいる?」
そういえば、仕事から帰ってきて、あんまり疲れてベッドに直行したんだっけ。
みんな気を遣って暗くしてくれているんだろう。
念のためもう一回、
「おーーーい」
やっぱりだれも気がつかないか。ま、いーっか。

でも、部屋に虫のような羽音がずーっと聞こえているから、あとで殺虫剤撒いとこ・・・。


「御住職様、どうかなさいましたか?」
突然、枕経(通夜などで納棺前にあげる短めの読経)を中断した御坊に
この家の御内儀が恐る恐る声をかけた。
「一度、こちらの世界まで戻ってこられた気配がしたもので、確認をいたしました。
仏様は、まだご自分がなくなったことに気づいておられないようです。
少し、長く経を上げておきましょう。」
「是非お願いいたします。」
深々と頭を下げる遺族一同の姿があった。



 ま、よくある話です。


 気付かないで・・・   了