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"put-upon" は 平易な単語が並んでいますが、
いろんな 意味 が あります。
虐待された、酷使された、酷い扱いを受けた、
騙された、いいように利用された、
つけ込まれた、食い物にされた
など、少々 滅入るような意味ばかりです。
He's a put-upon husband. といえば、
ガミガミとうるさい妻に 虐げられ、押さえつけられ
どうにもこうにも ならない 気の毒な旦那さん、
ということになります。
そんな旦那さん、どうしたと思いますか。
ヒッチコック劇場 "Final Arrangements" (人生最後
の段取り) と いう 作品 に 描かれた旦那さん、結局、
こうしました。
ちょっと覗いてみることにいたしましょう。
「Leonard Thompson は 大して幸せな男ではない。
彼は ガミガミと口うるさい 寝たきりの妻と結婚して
おり、自分が こんな体になったのは あなたのせい
だと 彼を責め立てる。
彼は 太り過ぎの 高圧的な妻 Elsie と 一緒に暮らす
のが ほとほと イヤになってきた。
Elsie は もっと給料を 上げて貰うよう 上司に お願い
して わたしのために もっと お金を使いなさい、と
言って 年がら年中 彼に 迫るのだ。
寝たっきりの妻に 始終 責め立てられるのが 彼には
限界になってきた。
彼は まさしく 地獄からやって来た 妻に 虐げられて
いる 夫なのだ。
で、Leonard は こんな状況を なんとかしようと 打つ手
を考え、決心がついた。」
(Leonard Thompson is not a very happy man.
He's married to a shrewish, bedridden wife who blames him for
her condition. He hates living with his overweight and over-
bearing wife Elsie.
She's constantly demanding that he ask for a raise and spend
more money on her. He's fed up with his invalid wife's nagging.
He is a put-upon husband of a wife from hell.
Leonard decides to do something about his situation. )
「彼は 葬儀屋の部長のもとに行き、それ以上にない
高い値段の葬儀を頼み 前金で支払った。
そして、所定の時刻に 棺桶を 彼の家に持って来て
遺体を運び出して貰いたい、と頼んだ。
彼は 帰途、薬局に立ち寄り 毒薬を買った。苦しまない
のが欲しいのだ、と 念を押した。
で、所定の時刻に 彼は 妻に面と向かった、これが最後だ、
とばかりに。
妻は 相変わらず 厳しい口調で 彼を 叱りつけた。
彼は 毒薬を 呷 (あお) った。 そして 死んだ。
葬儀屋が 家にやって来て、彼の遺体を運び出した。」
(He visits a funeral director and prepays the most expensive
funeral available. He tells them to bring the casket to his house
to pick up a body at the appointed time.
He then goes to a pharmacy and purchases poison, insisting
that he needs something painless.
Then at the appointed time, he confronts his wife, one last
time, his wife berating him as ever.
He drinks the poison and dies.
The men from the funeral home arrive and take away his body. )
有り金を使い果たして 最高額の葬儀費を支払い、遺産
を一切残さずに 寝たっきりの妻を 残して死ぬ..................
或る意味で 見事な復讐を果たした、ということでしょうか。
でも、これでいいのかなあ~、と首を傾げてしまいますね.....
お付き合い いただき ありがとうございました。