生乳需給に、これまでにない「異変」が起きている。9月上旬の需給最需要期にもかかわらず、北海道から本州への生乳移出が低調で、道内の乳製品在庫、特に脱脂粉乳の過剰が深刻だ。コロナ禍に加え、本州での長雨など天候不順が要因だ。
酪農・乳業界の重要課題の一つは9月上旬の生乳需給逼迫にどう対応するのか。だが今年は全く様相が異なっている。
例年は、JA全農の広域需給調整を通じ生乳不足の首都圏などに北海道からミルクタンカー「ほくれん丸」を満載にして運ぶ。だが今年はオーダーが少ない。逆に不足分を道産乳で補うどころか、指定生乳生産者団体の関東生乳販連は「生産が伸び、乳製品に仕向ける加工処理が例年より多い」としている。最需要期に大消費地である首都圏での加工発生は極めて異例だ。それだけ生乳需給緩和を裏付ける。