「こんばんは」

聖なる静寂をつきやぶるように、
聞きなれない陽気な英語が響いた。

そこは都内の神社
わたしのお気に入りの場所

前日に憂鬱な誕生日を過ごしたわたしは、
ひとりふらりとここにやってきた。

「いま時間がありますか」

その人は覗き込むようにわたしの顔をみている

へんなひと…

それが、その人への第一印象だった。


「時間があったら、ぜひあなたと食事がしたいのです」

ナンパ?逃げようかな…
変な顔はしてないけどな…

住んでいた外国から帰国したばかりのわたしは、
その空気感が懐かしくて足を止めていた。

その人はしばらく何かを話していた。
あれ?このアクセント…
もしかして…?

「フランスの人ですか?」

「はい」

そのひとことで、空気が変わった。

「わたし、この前まで住んでいたんですよ!」


初めて、出逢った日。


つづく。